【特集:コラーゲン】
コラーゲンは美肌素材として定着し説明も不要で、ドリンクやパウダーなど人気は衰えることがない。資生堂の参入で美肌イメージが一気に加速し市場は過熱した。日本では、作用メカニズムの追求や治験データが充実していることから、欧米やアジアでも美肌目的のコラーゲンの認知度が高まってきたという。
●出荷量6,600t、欧米も注目
2010年のコラーゲンペプチド出荷量は6,600tと推測されている(日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合約5,100tに組合外の出荷量約1,500tを合算)。一時に比べ伸び率は鈍化したものの依然として出荷量は増えており、今後も市場拡大が期待される。
原料メーカー最大手の㈱ニッピのゼラチン事業部長新谷隆行氏は、コラーゲン市場について「原料は、魚由来が伸びており全体の30%程度。豚由来は依然として高く65%程度で牛由来が5%程度。健康食品はほとんどが豚由来だが、イメージ重視の化粧品は魚由来が増加傾向。値段も手頃で汎用性があり、他の食品素材と比べて味も臭いも気にならない。認知度もあって即効性もあるのでメーカーにとって使い易い素材。最近はダイエット食品のベースとして採用も増えている。欧米では、日本で多くの治験データが出ていることから、骨・関節、美容整形以外に美容訴求としてのコラーゲン商品が俄かに活気づいてきた。中国や台湾、韓国で売上を伸ばすメーカーもある」と説明する。
原料価格は下落傾向にあるが、安いだけでは売れず、価格と品質のバランスが重視されてきている。最近では、コラーゲン産生促進効果を期待できる素材にも注目が集まってきている。
●コラーゲン、今後の摂取意向は強い
消費者への説明不要なコラーゲンは今後も美容素材の中心になることは間違いない。商品化の目的を大別すると「美肌訴求」が6割で「骨・関節訴求」が3割。
新規参入の止まないコラーゲン市場だが、主戦場の粉末においても、昨年後半から動きが出てきた。昨年、12月資生堂が参入したのを皮切りに、その後、ロッテ健康産業も4月にブランドを一新して新発売、競争がますます激化している。
市場のけん引役「アミコラ」を展開する㈱明治の健康事業マーケティング部田辺保氏は、コラーゲン市場について「店頭分析からも一時の急伸に比べれば成長は鈍化してきた。しかしコラーゲン未経験者の今後の摂取意向は非常に強く、まだまだ奥行きのある市場と見ている。新規参入で様々な製品が増えているが選択の幅が広がることで市場も活性化すると考えている。肌のケアのために、化粧水は女性9割以上の方が使用しているので、飲むコラーゲンもまだまだ伸びる余地がある。市場ナンバーワンブランドとして新市場を創出することも責務と考えている」と話す。
●皮膚への効果、データ集まる
以下は紙面でご覧下さい。
→購読申込・問合せへ