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サウナ×アクティビティで 女性との接点を増やす(サウナトータルプロデューサー 笹野 美紀恵氏)

 “サウナの聖地”と称される「サウナしきじ」で、サウナを“日常”として幼少時代を過ごしてきた笹野氏。 時代は変わり、いま女性にもサウナが身近に。全国で総合ウエルネス施設のプロデュースに取り組み、 “サウナ”のさらなる普及を推進する同氏に、サウナの可能性について聞いた。


女性目線のサウナづくりを

幼い頃から身近にあったサウナ。私に とっては日常でした。その頃は、単に「汗 をかくのが気持ちいい」程度にしか思っ ていませんでしたが、大人になるにつれ、 よく眠れたり、食事を美味しく感じたり、 携帯を見ない時間や誰とも喋らない時間 をつくることで脳を休ませることができるな ど、サウナの効用を実感する機会が増え ました。  学生の頃は実家を手伝うつもりはあり ませんでしたが、他所のサウナ施設に足 を運ぶ機会や、施設の宣伝に関わること が増えたことで、「しきじ」を通して自分 ができることは何かを考えるようになりました。

「動線はこうあるべき」、「アメニティは これがいい」など、「自分ならこうする」 との想いが強くなり、知らず知らずに「し きじ」で得たエッセンスやノウハウから、 もっと女性目線で利用者の心身が解放で きるサウナづくりを試したくなっていまし た。実際にサウナをビジネスとしてスター トしたのは 4 年前からです。  これまでに北海道、京都、山梨、滋賀、 島根、宮崎、神奈川、富山、長野の 9 つの施設を手掛けました。夏には大分で 施設がオープンする予定です。

女性用サウナには“香り”

女性用サウナにとって特に大事なのは“香り” だと考えています。特に生理前 は香りに敏感になるため、オーガニックな 薬草がいいと考えています。例えば廃棄 されている日本の茶葉や花をリユースし、 かつ体に良いものであればなお良いで しょう。「しきじ」でも漢方を使用している わけですが、現状ではサウナ施設で使 用しているところはまだ少ないです。地 産地消の素材を活かし、社会的課題と 女性の悩み、どちらにもアプローチしてい きたいです。サウナには女性の PMS を 緩和する効果があるといわれているため、 プロデュースした施設で PMS に特化した データ収集も行っています。データがまと まった段階でエビデンスに基づき、効果・ 効能を発信していきたいと考えています。

美容分野では昨年 12 月に美容機器 ブランドとのコラボ企画で、女性のサウ ナの入り方やサウナの美容情報を発信す るリアルイベントをサウナ施設で開催しま した。また、全国展開するスパで、サウ ナ後にトリートメントを行うメニュープラン の考案にも携わっています。サウナを巡 る TV 番組にも出演していますが、サウ ナに関心がない人にも伝わるように、特に 「体にいいことがある」、「肌がきれいにな る」といった美容や健康に関するメリット を挙げながら、情報発信を行っています。

女性のサウナ利用者の潜在層は、ホッ トヨガやスポーツジムの利用者だと考えて おり、このマーケットにどのように仕掛け ていくかが大事になります。「スポーツ×サウナ」のように、彼女たちがサウナに 触れるための、いくつかのタッチポイント を作ることもその一つです。例えばテニス コートの近くで、プレイをした後に楽しめ るおしゃれなサウナを併設するといった きっかけを提供すること。「旅行×サウナ」 では、男性だと、ご飯とサウナだけのセッ ト旅行でも成り立ちます。比べて女性は 求めるアクティビティの数が多く、旅行中 の行動も複雑です。そのためにも、彼女 たちが選ぶであろうアクティビティにうまく サウナを付け加える仕掛けが必要だと考えています。

ささの みきえ

サウナトータルプロデューサー。ONEBLOW 代表。 実家は“サウナの聖地”と称される「サウナしきじ」。 明治大学大学院でMBA取得。 現在は、ホテル・旅館・診療所などで五感を感じられる サウナを「総合ウェルネス温浴」としてプロデュース を行っている。静岡初のサウナ番組「サ活のサ」に出 演中。ANA『翼の王国』で毎月連載中。著書に『キレ イをかなえる「しきじの娘」の速効サウナ美容』(主婦 の友社)/『サウナしきじ』(開発社)

 

DIET&BEAUTY初夏号抜粋。記事の続きは「読者登録」で読むことができます! ⇒こちらから

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