米国ではコロナ渦中にアルコールを飲める場所が完全に閉鎖された影響もあり、もともとコロナ以前よりZ世代を中心に流行しはじめていたノンアルコール志向が更に加速しました。そこに拍車をかけたのが近年のインフレーションで、アルコール飲料業界の販売は苦戦を強いられ、同時にさらなる健康意識の高まりで砂糖や添加物を含む炭酸飲料類の売り上げも落ちました。
それに反してビタミンやアダプトゲン、フルボ酸などの免疫力を高めるファンクショナル(機能性)や、水素や高濃度アルカリイオンを添加したエンハンスドと言われる飲料の成長が著しいのです。
米国におけるこれら飲料の市場は、2022年にソフトドリンク市場の倍増しとなる5億ドルを超え(約730億円強)、2020年度から年平均で13~14%の成長率を記録し続けています。さらに2026年度には110億ドル(約1600億円)に到達すると予測されているだけあって、健康食料品のみならず一般のグロサリーストアから外食に至るまで商品ラインナップの充実が進んでおります。パッケージもSDGsを意識した紙でできたものから、リユーズできるようなしっかりしたものなど様々で、デザインが斬新な商品も登場しています。
またMocktail(モクテル)と呼ばれるアルコールを一切含まずにポピュラーなカクテルの味を再現した飲料も人気が高く、アルコールを扱わない健康食料品店の棚にも商品が並んでいます。これらのノンアルコール飲料においても、お酒が飲めない人が雰囲気を楽しむだけでなく、オーガニック素材や機能性が含まれる商品の付加価値が高まっています。
カクテルバーでもモクテルメニューが追加されているところが増えてきており、大都市ニューヨークやロスアンゼルスでもノンアルコール専門のカクテルバーがオープンするなど、Z世代からの人気を集めているようですね。