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業界が取り組むボディポジティブ(Retail Industry Embracing Body Positivity )

今、米国の衣料品売り場では”Body Positivity(ボディポジティブ)“という個々が持つありのままの体系をポジティブに受け入れるという考えが、人種や肌の色、そして性別に限られたファッションに囚われない”Diversity(多様性)”の浸透に続いて、米国を中心に拡大しています。

近年の人気映画やドラマに登場する多様性やBody Positivityなヒロインが活躍する中で、子供たちに長年愛されてきたバービー人形は従来のブロンドで白い肌の青い目にスキニーなスタイルのものから、ぽっちゃり目の体系、異なる肌の色やダウン症をイメージした様々なタイプの商品が登場しています。

若者に人気の高いH&Mや下着ブランドで有名なヴィクトリアズシークレットがふくよかなモデルを広告に使用するのを皮切りに、米国内で約2,000店舗を展開する大型ディスカウントストアーのTargetでは売り場でのディスプレイでは写真のような異なる体系で表情をいれないマネキンでストリートからお出かけファッションまでTPOにあった新商品の紹介を行っています。

大手チェーンが着手したこれら売り場での取り組みは、体系を気にするあまり新しいファッションを購入することをあきらめてきた消費者たちに、購買意欲やきっかけを与えるだけにとどまらず、企業に対するイメージ改善にも役立っています。

さらにこの”Body Positivity”の延長線上として”Body Neutrality(ボディニュートラリティ)“ という自分の体を見た目で判断するのではなく、それぞれの部位がもつ機能、例えば脚があるから歩けるなどの役割について考えて感謝し、健康であることを先ず主体に置くという思考が広がっています。特にBody NeutralityにおいてはHealth & Wellnessと繋がりフォーカスしているようです。

五十嵐 ゆう子 Yuko Igarashi

流通ヘルス&ビューティコンサルタント
米国在住の流通専門家。グロサリー業、ドラッグストアを始めとする小売流通全体のコンサルティング&通訳を兼ねるスペシャリストとして活躍。また児童教育や美容・健康産業にも精通し、「DIET&BEAUTY」でコラム(米国の健康・美容最新事情)を15年近く掲載中。その他に日本生協連合会生活資料、イズミヤ総研などの執筆を手掛けている。

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