地域の美と健康が動き出した【第64回】(兵庫県)
「ミツバチを飼ってみたい」、松村夫妻が丹波篠山市に引っ越して 5 年目、夫の麻伸さんが独立して養蜂業をスタートさせたのが、ささやまビーファームのはじまりです。
最初は、自然相手で不安な思いもあったという妻・まなさんですが、この蜂蜜を何かものづくりに生かせないか、と考えたといいます。
兵庫県の中腹にある丹波篠山市は、自然が豊かで、山にはクロモジやひのき、杉などの「よい香り」のする木が豊富にあり、畑ではいろいろなハーブが育てられています。この「香り」を「蜂蜜」とコラボレーションさせて、これまでにない化粧品を作ろう、という思いで、まなさんの石鹸やアロマ作りへの挑戦が始まりました。。
その際にこだわったのが「生蜂蜜比率」と「コールドプロセス製法」です。これは、油重量比で10%もの自家製生蜂蜜を配合し、1か月半もの時間をかけて作る昔ながらのコールドプロセス製法で丁寧につくることでした。
そうして蜂蜜石鹸が完成し、その優れた保湿性としっとり感が支持され、発売以来、口コミで広がりを見せ、リピーターが増え続けています。
この石鹼は、自分に合う化粧品を探し続ける方々や、お肌の曲がり角を意識し始めた30~50代の女性を中心に、お使いいただきたいと思っています。同社スタッフはほぼ女性で、その一人一人の「思い」を商品に込めながら開発から製造を行っています。
そして、商品の人気が伸びる中、直面する課題に対し、中小機構の「マーケティング支援」を活用しました。ここでは、「篠山石鹸」ブランドを構築する方法や新商品である液体石鹸「カリ石鹸シャンプー」の新たな顧客開拓方法について、専門家とともに社内ミーティングを行いました。 ここでは、自社のあり方や、ブランドの目的など、根底部分から改めて見直し、社内で共有することができました。今後は、新たな商品展開も進めていき、「篠山石鹸ブランド」をさらに多くの方に知っていただきたいと考えています。
(株式会社ささやまビーファーム:https://www.sayama-bee.com/)
(独)中小機構近畿本部 中小企業アドバイザー(経営支援)
田中秀和
中小企業診断士。雑貨分野を専門支援領域とし、展示会出展支援や目利き力を活かした製品評価、販路提案を行なっている。