連載

地域環境を守り、日常の美へ ~塗料関連商社が取組む化粧品事業~

地域の美と健康が動き出した【第62回】(富山県)

㈱やぶうち商会(飯倉清博代表取締役/富山県富山市)は、塗料関連商品の専門商社として、環境保全に配慮した環境マネジメントシステムを積極的に推進している企業です。

1998年から取り組みをはじめ、2010年にはエコアクション21(環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム)を導入しています。2011年には、塗料関連商品の専門商社として蓄積してきた化学的/技術的ノウハウ(塗料調合技術/化学的物質反応/添加物の種類やその効能ノウハウなど)及び提案力を活かし、富山県産蜂蜜などを使った化粧品事業を開始しました。

左:通常のエキス抽出 右:独自のエキス抽出

その後、地域産業資源であるトウキ葉を活用した化粧品の開発販売事業が「地域産業資源活用事業計画」として2020年に経済産業省から認定を受け、販路拡大のフォローアップ支援を受けながら、2022年にカーボンニュートラルへの取り組みを富山県SDGsとして宣言しました。

製造過程で化学物質を扱う同社にとって、SDGsを宣言することは、サービスがかかわる環境負荷とその影響を認識、環境保全と環境汚染の防止に努めていることによる顧客満足度の向上につながります。

これにより、地域へのトウキ葉化粧品シリーズが持っている強みであるエキスの独自抽出方法の開発や、高濃度のトウキ葉エキスの抽出の成功も、地域の環境を守ることの両方を目指せることになります。

特に、同社の技術的強みに対して、攪拌条件の最適化課題を解決し、量産化条件に挑戦することで、普段使いできるボディーシャンプー・ボディークリーム・入浴剤を開発し、販売開始をすることになりました。

同社は、今後も地域の環境を守りながら、家族全員が日常の生活の中で健康につながる美をつくり、地域発のエシカル消費を支える商品をお届けしたいと思っています。

(独)中小機構 北陸本部チーフアドバイザー 村本睦子

ITコーディネイター。中小企業の新事業展開、知財戦略、IT経営革新などの支援に携わる。

 

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