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変化する消費者ニーズ、今、求められる美と健康サービスとは

【座談会】~医療、エステティック、フィットネス業界~
 2011 年9 月に開催された「ダイエット&ビューティーフェア/スパ・ジャパン」のセミナーの中で、ひと際盛況となったビューティ&ウエルネスサミット。そのパネリストとしてご登壇頂いた各氏に、年始に際し2012 年の展望を聞いた。3.11 以降大きく変わった消費者の価値観に美と健康サービスはどう対応するのか、有望市場はどこにあるか。


●多様化するニーズ、美と健康サービスの今後
多摩大学教授 真野 俊樹 氏
 医療消費者のニーズはあきらかに変化しています。ただ「治れば良い」から「気持ちよく治りたい」。アンチエイジングへの関心の増大。さらに、ひとつの施設でワンストップで全て治療を受けたいという利便性の面でも、ニーズは変化しています。
 消費者側からみれば医療はひとつの選択肢です。花粉症や慢性疾患など治らない病気や、美容については特にそうで、医療以外に健康、美容商品は沢山の選択肢があります。予防、改善目的で健康領域の関心は高まっていて、ニーズはますます広がります。今後、医療と健康ニーズとが融合していくことが大事になると思います。
 
 タイでは実際に医師がスパを経営し、医療とスパを融合させて成功しています。日本ではエステ、スパなどの保険適用外の美容・健康サービスとの融合は発展しにくいのですが、ニーズが大きくなるにつれ少しずつ増えていくと思います。
㈱ソシエ・ワールド 代表取締役社長 須藤 政子 氏
 今やお客様自らが自分に必要なサービスを上手に選ぶ時代になりました。お客様の年齢層も広くなり、スタッフはエステティックの技術だけでなく健康、栄養、生活習慣など幅広い情報や専門知識を求められるようになっています。
 
 美と健康サービスとの連携については、新しい可能性を求めて挑戦してきましたが、なかなか難しいですね。例えばフィットネスとエステティックではお客様の嗜好や目的が異なります。ただ、美容室ではヘッドスパ、ネイル、ストレッチなどライト感のあるトータルビューティにもニーズがあるように思います。
 医療との連携に関しては、一人のお客様を通してどのように対応できるか、共に考えられる環境があれば成功する可能性はあります。我々もモデルケースとなる施設やシステムを手がけてみたいと思っています。
スポーツクラブNAS㈱ 代表取締役社長 柴山 良成 氏
 
 フィットネスクラブの参加率は3%で人口は約300 万人ともいわれています。まずは残りの97% の潜在ニーズを捉えて、3% を4%、5% に増やしていくことが大事です。そのためにはファンを増やすために、アミューズメント性を取り入れるような事も必要だと思ってますし、入り口を広げる工夫がないとだめだと思っています。我々自体が変化して、フィットネスクラブからニーズを逆発信しなければならないのです。
 
 美と健康サービスの連携で重要な事はどこが核になるかだと思います。弊社では、エステ推進部を立ち上げ、フィットネスクラブ内で順次エステを出店しています。これは外からも入れる独立した店舗です。エステティック会員、フィットネスクラブ会員、両者に優先予約や割引などメリットを出せるようにしています。昨年末にはエステティックサロンの単独店をオープンしました。
●今後、国内外の有望市場は?
以下、詳細は紙面でご覧下さい。
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