関連トピックス

卓上甘味料だけでなく料理にも使えるアガベシロップ、今後の拡大に期待

クインビーガーデンとアルマテラは、4月12日に共同でメキシコ大使館別館にて「アガベシロップセミナー」を開催した。

まず、在日メキシコ大使館のArmando Arriaga氏が挨拶。アガベは世界中で消費されており、日本でも好評である。ヘルシーフードとして、一食材として注目され、さらに利用が伸びることを期待している、と語った。

次に、メキシコ農務省駐日代表部の益田氏が、メキシコと日本の農産物の貿易について解説。2005年に日本メキシコ経済連携協定(日墨EPA)が発効し、それ以降、メキシコから日本への輸入量が急激に伸びた。アガベシロップについても関税割当分は2012年度の50トンから16年では90トンに伸びたが、実際の輸入量はその数字以上に大きく、2016年で約330トンとなっているという。

基調講演では、医療法人社団Veritas Medical Partners麻布医院 院長の髙橋弘氏が、アガベシロップの特徴である低GI値と健康について分かりやすく紹介した。GI値とはどういったものかという説明から、GI値が低いと血糖値の上昇が穏やかで、インスリン分泌量を急激に増やすことがない点に言及。

アルマテラの代表取締役 薮田桂氏からは、日本でのアガベの拡がり方と、世界での利用例が紹介された。世界的に利用が進むアガベシロップだが、やはり米国が最大の利用国であり、欧州ではドイツやフランスが多い。それに比べると日本はまだ少なく、液糖を使う習慣のある韓国では日本の3倍も利用がある。

海外では、特にオーガニック品や体に良い製品など、こだわりの製品にアガベシロップが使われることが多い。化粧品での利用もある。中国ではまだハチミツが圧倒的で、今はまだアガベシロップは少ないが、知り始めている段階だという。

日本でも最初はマクロビやオーガニック分野から利用されてきたが、今では、健康食品、食品、美容、エステなどに着々と広がってきている。レシピ検索サイトのクックパッドでも、アガベシロップを使った料理レシピが出てきているという。日本の料理にも良く合うことをもっと伝えていきたいと語った。

なお、アガベシロップを使った食品として、料理、菓子、飲料の試食が提供された。
料理では、
・いちご入りぬた(野菜などの酢味噌和え)
・プチトマトのスイートマリネ
・洋風ちらし寿司
・豚茄子ピーマンの味噌炒め(しぎ焼き)
どれもとてもおいしく、甘味が邪魔をせず素材の味が引き立っていたと感じた。

スイーツの試食および飲料
・雑穀大福 アガベシロップしか使っていないというこだわりの和菓子を提供する、和のかし 巡(代表:黒岩典子氏)の製品。アガベシロップを使うと、あんこがすっきりとした甘さに仕上がるという。その言葉通り、あんこがほどよい甘さに仕上がっており、素直な味のとても食べやすい大福であった。
・生チョコレート Lady Bearパティシエの濵田隆氏が、アガベシロップを使ったギルトフリースイーツとして紹介。アガベシロップは素材、とくにカカオの香りを引き立てる点を紹介。後味のすっきりした、とてもカカオ感の高いチョコレートであった。
・スムージー 素材の良さを引き立てながら味をまとめ、自然な甘さに仕上がった。

関連記事

  1. 機能性食品に関連する研究が一堂に、「第16回ファンクショナルフー…
  2. 9月25日に、「第23回ダノン健康栄養フォーラム」オンラインにて…
  3. 昆虫食のグリラス コンビニ展開スタート
  4. 米国で広がるコラーゲンブーム、「美容素材として高く評価」
  5. 南アジアの成長が今後の食料需給動向のカギに
  6. 植物由来タンパクの世界的供給国を目指す―カナダ・プロテイン産業協…
  7. 食品と開発 ニュース イングレディオン、でん粉の生産能力増強を計画―中国・山東工場を拡…
  8. アカモク成分中の抗ウイルス効果を活用した除菌剤

お問い合わせ

毎月1日発行
  年間購読料 33,000円(税込)
      1冊 3,300円(税込)

海外展示会のツアー開催

「食品と開発」では海外の食品展示会に合わせたツアーを開催しております。渡航や展示会入場に関する手続きを省け、ツアーならではのセミナーなどの企画もございます。
  資料請求は【こちら】

■2025年予定
IFT FIRST 2025
・7月13~16日 米国 シカゴ
Fi Europe
・12月2~4日 フランス パリ

■2026年予定
Natural Products Expo West
・3月3~6日 米国

食品開発展2025