消費者の安心・安全を脅かしかねない異物混入とこれに伴う自主回収事例は依然として後を絶たない。ここ数年、食品業界全体の異物混入対策が大きく進展し、自主回収はこの1~2年のピーク時より現時点では少なくなっているようだが、決して無くなったわけではない。今年1~8月末までの期間、国民生活センターや東京都に報告された食品の自主回収件数は昨年並みに止まっており、油断のならない問題であることが改めて認識させられた。
食品製造・加工工程における異物検出は、PL法やHACCPの普及、社会問題化した食品異物混入事件を契機に最重要テーマの一つとなっている。特に食の安全が厳しく問われる中、消費者庁が発足したこともあり、異混入クレームがさらに増えることも予想される。一方、厳しい経済環境下にあっても歩留まり改善を含めた生産効率化のテーマで異物検出装置に期待する向きもあり、導入マインドには根強いものがある。
本稿では、金属をはじめ、ガラスや石、骨、毛髪などの異物混入対策でニーズが高まっている各種異物検出装置の普及状況や開発動向のほか、主なサプライヤー各社の展開などを報告する。
【異物検出装置の主なサプライヤー】
●X線異物検出装置/金属検出機
アンリツ産機システム
日新電子工業