たん白素材は最近、その機能性に着目した利用が増えている。特にここ1年で“筋肉量の維持・増加”を訴求した新たな需要が増加してきているが、たん白摂取の重要性に対する消費者の認知度はまだ低く、市場拡大への大きな課題となっている。
ペプチド素材については、低アレルゲンや血圧対応、中性脂肪対応など機能面を活かした利用と発酵促進の培地としての利用が多く、安定した需要を維持している。本稿では、各種たん白・ペプチド素材の最新動向を原料事情やサプライヤーの開発状況を中心にまとめた。
たん白素材の市場動向
■“筋肉量の維持・増加”訴求ニーズが増加
“筋肉量の維持・増加”という訴求での製品開発は以前から試行錯誤されてきたが、消費者のたんぱく質に対する“アスリートなど一部のコアな層が摂る栄養素”、“筋肉がつきすぎて太る”といった誤った認識や、商品が発売されても薬事法による表示規制もあって消費者への訴求が難しいという課題から、息の長い商品が出てこなかった。ここへきて急速にニーズが高まった背景には・・・(続きは本誌をご覧ください)
■市場創設へ向けての課題
~求められるのは消費者への啓蒙とアプリケーション開発~
日本でたん白強化食品が定着しない最大の理由は、消費者のたん白摂取の重要性についての知識が不足していることが挙げられる。
≪たん白素材の主なサプライヤー≫
●乳たん白
タツア・ジャパン
ケリージャパン
●卵白
●大豆たん白
●小麦たん白
ペプチド素材の市場動向
ペプチド素材は様々なたん白由来のものが流通しており、マスキング効果やボディ感付与などを目的とした調味料的な使い方や、微生物の発酵促進のための培地としての利用、また流動食や経腸栄養剤、調製粉乳などのたん白源など幅広い分野で利用され、安定した需要を維持している。
≪ペプチド素材の主なサプライヤー≫
●乳ペプチド
タツア・ジャパン
●大豆ペプチド
●卵ペプチド