食用色素は消費者の健康志向を反映し、合成色素から天然色素への切り替えが進み、さらに安定性や発色性の高い天然色素製剤の開発が進んだことで市場を形成してきた。
ここ数年、中国産を中心に原材料価格は上昇傾向であったが、昨年後半からクチナシが2~3倍、コチニールが最高時で6~7倍と記録的な高値を付け、製剤価格の値上げが進んでいる。しかし、加工食品市場が安定していることもあり需要が減るといった傾向はなく、天然色素トータルの需要量は横ばいをキープしている。本稿では、天然系色素市場の現状と色素メーカー各社の動向についてみていく。
■―――――褐色
<カラメル色素>
天野実業、池田糖化工業、昭和化学工業、仙波糖化工業、森田フードシステムの5社からなる日本カラメル工業会
<カカオ色素>
■―――――黄色
<クチナシ黄色>
<マリーゴールド色素>
<サフラン色素>
■―――――橙色
<トウガラシ色素>
<抽出カロテン>
<発酵法β-カロテン>
<ヘマトコッカス藻色素>
■―――――赤色
<トマト色素>
<クチナシ赤色素>
<ベニコウジ(モナスカス)>
<コチニール色素>
■―――――赤紫色
<赤キャベツ>
<赤ダイコン色素>
<シソ色素>
<パープルキャロット(紫ニンジン)>
<紫イモ色素>
<ブドウ果皮・果汁>
■―――――緑色
<クロロフィル>
<緑色製剤>
■―――――青色
<スピルリナ>
<クチナシ>
■―――――黒色
<イカスミ色素>