食品分野での異物混入に伴う商品回収事件は、検査装置の普及もあり、近年大幅に減りつつある。もっとも、事件が減ったとはいえ、当事者となった食品・飲料メーカーや輸入業者にとっては消費者の信用失墜はもちろん、商品回収にかかる手間とコストの負担を筆頭に、蒙るダメージの大きさは計り知れない。その意味でも、異物混入対策は食品産業関係者がサプライチェーン全体で常に取り組まなくてはならない課題だといえる。
異物検出装置導入がさらに進んでも、生産・流通工程に人間が介在する以上、異物混入とこれに伴う商品回収事件がゼロになることはないだろう。それでも、そのリスクを限りなくゼロに近づけることには意味がある。商品への異物混入に伴う訴訟では、異物検出装置導入などの取り組みが当事者となった企業にとって有利な材料となったケースもあったという。一方、異物検出装置の機能性と使い勝手の向上は短日月のうちに加速度的に進んでおり、価格も低下。一部装置メーカーでは、異物混入要因を分析し、その発生リスクを低減するコンサルティングを行うなど、踏み込んだ提案も目立ち始めている。
<異物混入対策装置の主な供給企業>
◆金属検出機・X線異物検出装置・毛髪検出装置
・イシダ