~節電、暑さ対策で見直し需要高まる~
食品工場の周辺では、軽微なものから重篤な臭気にいたるまで発生源追及や行政窓口への苦情が後を絶たない。苦情の増加に伴い、食品工場や水産・畜産加工場、養豚・養鶏場などでは廃棄物や排水処理で臭い対策を図るところが増えてきた。本来は居住区から離れた場所に造られた食品工場などの近くに、家屋などが建てられ住居に接するようになり、臭気対策が必要となるケースもまま見られる。こうした中、臭いの発生原因や処理性能、コストに応じた様々な脱臭技術の開発が盛んになってきている。
また、臭気対策の基本としては工場の環境を清浄に保つための設備・ソリューションの見直しも必要となる。
本稿では、脱臭技術の現状と主な機器やシステムの特長、さらに清潔作業空間の構築に欠かせない設備・サービスを紹介する。
■多様化する悪臭苦情と脱臭ニーズが高まる食品業界
環境省の平成22年度悪臭防止法施行状況調査(平成23年12月22日発表)によると、平成22年度末時点の悪臭苦情件数は15,194件で、7年連続で減少した。これは前年度と比較すると743件(4.7%)の減少となった。減少率こそ緩やかになったものの、引き続き企業や自治体における悪臭対策が奏功している結果といえよう。ただし上位5県は昨年同様、東京都、愛知県、神奈川県、大阪府、埼玉県で、これら上位5都府県で総苦情件数の38.5%を占めており、依然として都市部における苦情の多さが目立った。とくに中小規模の工場・事業場や飲食店などを発生源とする悪臭に対する苦情が増加している。・・・(続きは本誌をご覧ください)
■脱臭システムの開発動向
多くの悪臭発生源はその対策に苦慮し、安くて高効率の脱臭方法がないかを模索している。脱臭方法には多くの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあるためユーザー側としては、それらの点を十分に理解して選定することが大切である。(続きは本誌をご覧ください)
■食品業界で導入が進む注目の脱臭システム
○植物抽出消臭剤アプリケーション
・省スペース・安全性・消臭性能ともに高評価の排気消臭システム
○臭気判定のためのニオイモニタリング
・使いやすさの追求と小型化を両立
■食品工場の清浄管理
食品分野では、工場におけるHACCP導入が進展する一方、安心・安全ニーズに対応する新設・改修が相次いでいる。特に工場や物流施設の内部環境清浄化は、多くの食品関連企業が力を入れているテーマだ。防虫・防塵をはじめ、除菌・防カビ、湿度コントロールなど、内部環境清浄化に関わる対策は多岐に渡る。取り扱う食品の内容にもよるが、クリーンルームを活用した無菌化包装食品もシェルフライフの延長や常温流通メリットなどの評価からここにきて市場拡大の様相を見せており、内部環境清浄化に貢献する技術・設備の開発も進んでいる。
○施設内清浄化のためのソリューション
・防鼠対策でも期待高まるオンライン環境衛生システム
・除湿しながら施設内の雰囲気を乾燥