~殺菌性能、生産性とともに求められる省エネ、コスト削減~
![HP9月号 食品・飲料製造における殺菌技術と装置開発イメージ.jpg](https://www.kenko-media.com/food_devlp/HP9%E6%9C%88%E5%8F%B7%20%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%83%BB%E9%A3%B2%E6%96%99%E8%A3%BD%E9%80%A0%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%AE%BA%E8%8F%8C%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A8%E8%A3%85%E7%BD%AE%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8.jpg)
食品・飲料の殺菌は一般的に加熱殺菌が浸透しているが、近年は食品品質に対する要求の高まりを背景に、殺菌品質を保ちつつも過度の加熱を避けて食品・飲料の熱変質を抑制したり、殺菌時間短縮化する技術・装置の開発が進んでいる。一方、熱をかけられない生鮮食品や液体食品、さらには製造施設や製造用水などにおいて、オゾンや紫外線などを活用した非加熱殺菌装置の利用も拡がっている。また、大手飲料メーカーの無菌充填ラインでは、容器やキャップの殺菌にEBが導入されるケースも増えている。
食品・飲料業界の設備投資は昨年後半から回復軌道に乗り、今年前半の総括では、「昨年分がスライドした形だが、受注案件に恵まれた」(装置関係者)との声が多く聞かれた。今夏も日本全土が厳しい猛暑に見舞われる中、飲料需要が高水準で推移しており、一部大手飲料メーカーでは、生産性の高いEBを活用した無菌充填ラインの大型設備投資が威力を発揮している模様だ。また、中食需要の拡大に加え、備蓄食としての利便性が評価されたレトルト食品は定期的な買い替え需要の発生にも恵まれている。ここにきてレトルト殺菌装置の需要が拡大したのもこのためだ。非加熱殺菌装置も、デリケートな原材料を用いた食品や、新しい触感を訴求した商品開発が行われる中、熱変性による風味やテクスチャーの劣化や変色を避けたいとするニーズが高まり、需要を拡大している。生産食品や水、飲料を中心に、化学物質の残留性も少ない手法が選択されているようだ。
□加熱殺菌技術
◆飲料・流動状食品のUHT装置
・イズミフードマシナリ
・岩井機械工業
・大川原製作所
・日阪製作所
・西華産業
◆レトルト殺菌装置
◆ジュール加熱殺菌装置
◆過熱水蒸気殺菌装置
□非加熱殺菌技術
◆オゾン水生成装置
◆紫外線殺菌装置