ニイタカは、脂質膜を持たない複数のノンエンベロープウイルスに有効なアルコール消毒薬「Nスター」を開発し、昨年12月1日に販売を開始した。
Nスターは、リン酸およびワインに含まれる酒石酸を配合することでウイルス不活化効果を大幅に高めたもので、手指を媒介としたウイルス感染の予防に威力を発揮する。指定医薬部外品だが、100%食品に使える原料だけで構成されているため、食品を取扱う現場でも安心して使用できる。アイテムは、5ℓ容量と1ℓ容量(写真)の2規格が揃う。
同社は研究の結果、複数のノンエンベロープウイルスを99.999%以上除去できる技術の確立によりNスターの商品化にこぎ着けた。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)ガイドラインでは、単一よりも複数のノンエンベロープウイルスに効果があることが望ましいとの内容が記載されており、Nスターは同ガイドラインに準拠するものといえる。2017年10月に開催された日本食品微生物学会での発表も参加者より高い関心が寄せられたという。
冬場を中心としたウイルスによる感染性胃腸炎は、大規模な感染症につながりやすく、近年は食品調理・製造加工現場のほか、介護施設や医療機関などで日常的に対策が行われている。手指の消毒では速乾性アルコール消毒薬が普及しているが、より広範囲のウイルスに対応でき、かつ不活性効果の高い消毒薬が求められており、同社もNスターの今後の需要拡大が見込む。アルコール系除菌剤の同社旗艦製品「ノロスターシリーズ」として2020年には10億円の販売を目指す。