近年油脂の栄養研究が進み、これまで知られていなかった脂肪酸の生理機能が解明されつつあり、それぞれの機能性を活かした利用や脂肪酸バランスを訴求した利用の展開が図られている。その中でも注目されているのが、DHA・EPA、シソ油、フラックスシードオイルなどのn-3系と、月見草油・ボラージオイルなどのn-6系の多価不飽和脂肪酸である。国際脂肪酸・脂質学会(ISSFAL)をはじめ、脂質栄養関連学会でも盛んにそれぞれの機能性研究や、摂取バランスについての議論が行われている。
n-6系とn-3系の摂取バランスについては、日本脂質栄養学会、ISSFALなどが、動脈系疾患、アレルギー疾患の急増に対応える形で、n-6系のリノール酸摂取を半減させること、n-6/n-3摂取比率を現状の4から2にするなど様々な意見が出されている。国の見解としては第六次改訂栄要所要量にあるよう摂取比率4程度を目安とすることとしている。
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