愛知県環境審議会廃棄物部会は、食品廃棄物等の適正処理の実効性を高めるため、すでに実施している監視体制の強化、排出事業者・産業廃棄物処理業者への講習・指導、立入検査による法令遵守の働きかけに加え、県条例第7条の排出事業者による委託先の処理状況の確認義務について、義務違反のあった排出事業者に対する勧告・公表規定を盛り込むことを提言した。
同部会では、同第7条確認義務に違反した排出事業者に対しては、県が必要な措置を講じるよう当該事業者に勧告し、その勧告に従わない場合は、その旨の公表規定を設けるのが適当と指摘。さらに同第7条第2項に規定されている「定期的な確認」について、確認頻度を年1回以上と規定するなど、具体的な方法等を規則等に明文化する必要があるとしている。
同部会では、外食産業の壱番屋から処理を委託された食品廃棄物を産業廃棄物処理業者であるダイコーが不正転売するとともに、処理せずに過剰保管する不適正処理を行っていた事件が発生したことに伴い、条例での排出事業者への措置強化について審議した。同第7条確認義務に違反した排出事業者に対する勧告・公表規定の追加の提言も含め、これまでの審議(第1回部会)内容をまとめた「中間とりまとめ」を11月7日に公表しており、県民意見提出制度(パブリック・コメント制度)に基づいて11月18日~12月18の期間、県民の意見を募集している。
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/junkan-kansi/291118.html
12月下旬には第2回部会を開催し、集められた県民意見を踏まえて審議を行う。その後、環境審議会による答申が行われる予定だ。