食品安全委員会添加物専門調査会は9日、海外で飲料製造の殺菌などに使用される「二炭酸ジメチル」の新規指定に向けた食品健康影響評価について審議した。
指定要請者であるランクセス社の用意した二炭酸ジメチル概要書をもとに添加物評価書案の作成に向けて、二炭酸ジメチルおよび反応生成物における体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)を評価し安全性などを検討。果実酒およびミネラルウォーターを除く清涼飲料への使用に関する最終的な評価は、次回の専門調査会で審議されることとなった。
概要書によると、二酸化ジメチルは無色の液体でワインや清涼飲料水に添加して細菌繁殖を抑え、不活化させる新規の殺菌料。飲料を容器に充填する前に添加して細菌内の主要酵素を阻害し、静菌ないし殺菌作用を発現する。添加(注入)後は数時間(10℃で5時間、21℃で2時間)で二酸化炭素とメタノールに加水分解される。分解生成されるメタノールは市販の天然果汁に含まれる範囲で味覚に影響を及ぼすことなく、出荷時点では二炭酸ジメチルは検出されない。
1988年に米国FDAにより、ワイン(ぶどう酒)の酵母菌の不活化の用途で許可され、その後各種清涼飲料への許可が拡大され、海外98カ国で使用されているという。