消費者庁は27日、生活協同組合連合会グリーンコープ連合に対し、同連合会が供給するウインナーソーセージに係る表示について、優良誤認に該当する景品表示法に違反する行為あったと認定し、措置命令を行った。
同連合会が組合員向けに発行するカタログ「GREEN」において、化学的な合成添加物を一切使用せずに製造されたものであるかのように示す表示をしていたにもかかわらず、実際は羊腸をリン酸三ナトリウム溶液に漬けて加工されていたことが明らかとなったもの。消費者庁では、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を確認するとともに再発防止策を講じるよう命じている。
グリーンコープ連合の話によると、ウインナーのケーシングに使われる羊腸について、これまで塩水処理したものを利用してきたが、昨年3月29日に委託先の畜肉加工メーカーがリン酸三ナトリウム溶液で処理していた羊腸を使用していたことが判明、翌日の製造分から塩水処理のものに切り替え、同年5月1日に消費庁に自主的に申し出たという。
リン酸三ナトリウムはケーシング処理施設の一部において、滑りをよくしてソーセージ充填装置への装着性を向上させるために経験的に利用されており、麻布大学獣医学部動物応用科学科食品科学研究室の坂田亮一教授の研究においても、ケーシングの軟化効果や殺菌効果が確認されている。
グリーンコープ連合ではリン酸塩の使用に関する総量規制を行っており、本件の措置命令に対し、ウインナーに関する従来通りの表示ができるよう製造と表示内容の同一性を確認し再発防止策を示したうえで、消費者庁に文書で報告するとしている。