東洋新薬では、連携協定を締結している東京大学と共に、「東京大学Proprius(プロプリウス)21 Plus 東洋新薬 産学連携研究セミナー/東大生向けODEM体験型ワークショップ」を東京大学弥生キャンパスにおいて開催した。
本企画は連携協定の取り組みの一環となるもので、同社と東京大学、東大発ベンチャー等が共同で進めている取組みを紹介する「産学連携研究セミナー」では、多角的な研究が紹介された。
まず、東京大学産学協創推進本部 イノベーション推進部 部長の各務茂夫氏が挨拶。Proprius 21 Plusとは、組織と組織の連携による共同研究プログラムであることを説明。シーズ探索から実用化・事業化に至るまでの連携コーディネーション機能を提供していく。現在東洋新薬とは7件の共同研究を推進中で、東洋新薬と東京大学に、東大発ベンチャー企業も加えた3団体による共同の取組みについても紹介した。
続いて、東洋新薬の専務取締役 高垣欣也氏が、会社説明とODEMについて分かりやすく解説。トクホ取得数1位の企業であり、機能性表示食品や化粧品においても活発に動いている模様を紹介。多くの自治体と連携協定を結んでおり、大学や国の機関とも一緒に取組みを進めている背景も語った。
セミナーでは
●「大麦若葉末」摂取による腸内細菌叢改善作用
―機能性食品素材摂取における腸内細菌の動態解明
須谷尚史氏(定量生命科学研究所 先端定量生命科学研究部門 ゲノム情報解析研究分野)
東洋新薬の大麦若葉末について、次世代シークエンサーを使った腸内細菌叢の研究を紹介。大麦若葉末を摂取した8週間後の腸内細菌叢を調べて、ビフィズス菌(ロンガム)の増加や悪玉菌の減少、肥満との関連が注目されているエリシペロトリクス綱の減少などを確認した。
これは、東京大学(白髭研究室)の統計解析力と東大発ベンチャーのTAK-Circulatorの解析プラットフォームおよび企業との共同作業、東洋新薬の臨床検査のノウハウの3団体が一体となった研究であると紹介した。
●皮膚の細菌叢解析―ゲノム情報を駆使するマイクロバイオーム受託解析事業
古俣麻希子氏(TAK-Circulator(株)事業推進部長)
2014年に創立した、皮膚マイクロバイオームの解析を事業とする。テームを用いて皮膚の細菌を採取することで、解析が容易になり精度も向上。日本人女性1000人の皮膚細菌叢の解析では、1300種類以上の細菌の存在を確認した。
その他の講師とタイトルは以下の通り。
●メタボ及びロコモティブシンドロームに対する機能性評価
佐藤隆一郎氏(農学生命科学研究科 教授/日本農芸化学会 会長)
●「筋細胞ファイバ」による機能性食品素材の評価系の構築
―「生きた」ひも状の細胞を用いた三次元組織化とその応用
安達亜希氏((株)セルファイバ 代表取締役社長)
●嚥下性改善を目的とした錠剤・カプセルの開発
―多軸力センサ及び筋音センサによる錠剤表面の物性評価及び評価法の構築
竹井雄介氏(産総研 集積マイクロシステム研究センター)