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ダノン健康栄養フォーラム―スポーツと栄養に関する講演を開催

(公財)ダノン健康栄養財団および(公財)日本栄養士会は、9月8日(土)に都内で、第20回ダノン健康栄養フォーラム「健康と運動能力アップにつなげるスポーツ栄養」を開催。会場には700名、インターネットのライブ配信では百数十名が聴講した。

開会挨拶として(公財)ダノン健康栄養財団 理事長/東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科 食品科学研究室 教授 清水誠氏が登壇。20回目という節目となる今回のフォーラムでは、東京オリンピック・パラリンピックが2年後に迫り、併せて高齢化社会で問題となっている、運動と栄養に関する講演を企画したと話した。また、豪雨、台風、地震と、日本中が大きな被害を受ける中、災害時には特に栄養士の活躍が期待されると語った。

基調講演は、順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 教授の内藤久士氏が、「スポーツ科学の基礎知識―温熱とトレーニング―」というタイトルで講演。効率的なトレーニングには、温熱負荷が効果的であるとして、ヒートショックプロテイン(HSP)について解説。あらかじめ弱い熱ストレスを掛けることでHSPが増えた細胞では、その後の熱ストレスでの障害程度が小さくなり、熱ストレスだけでなく別のストレスに対しても抵抗性が高まる。その機能は、トレーニングへの応用はもちろん、筋委縮の軽減や回復促進も期待できるという。

続いて、立命館大学スポーツ健康科学部 教授の海老久美子氏が「成長期アスリートの食生活」を、実例を紹介しながら、問題点を指摘。成長期のスポーツ選手では、栄養摂取量が不足すると、生命活動を維持するためのエネルギー量(EA:Energy Availability)が減少し、疲労骨折を起こしてしまう恐れがある。さらに女性では骨粗鬆症、貧血にも繋がりやすい。予防には、エネルギー不足を避け、カルシウム、ビタミンD、たん白質の摂取、さらに休養をしっかりとり、疑わしい場合はすぐに検査をするなどの注意をすることで、子供たちの健康を守りつつスポーツができる健全な環境となると説いた。

帝京科学大学 医学教育センター 特任教授 渡會公治氏の「健康づくりのための運動と栄養(ロコモ・フレイル対策 美しく立つ)」では、ロコモ・フレイルについて説明しながら、膝や腰に負担となる立ち方や動き方を説明し、正しいロコモ体操・ロコトレを紹介。参加者は実際にその場で片足立ちや肩のまわし方などを体験した。

今回はフォーラム初となる対談も行われた。「障碍者のスポーツ栄養」と題し、神奈川県立保健福祉大学 教授 鈴木志保子氏とパラリンピアン(射撃)の田口亜希氏が登壇し、パラアスリートの抱える問題や、試合での食事についてなど、普段なかなか知ることのできない話を伺うことができた。お二人の和気藹々な語りに参加者は皆、引き込まれていた。

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