三栄源エフ・エフ・アイは、長年の課題であった赤ダイコン色素特有の臭いを抑え、継時的な戻り臭も発生しない、赤ダイコン色素の新製剤「アートレッド®RD」を上市した。
国産原料の選別から製剤化に至るまで、同社独自の技術を駆使した製品で、液体タイプ(10%E値色価120)と粉末タイプ(同500)の2アイテムを用意する。飲料をはじめ、キャンディ、グミ、ゼリーなど、ベリーやチェリーのイメージに近い幅広い酸性食品に使用することができる。日本市場での紹介を皮切りに、ナチュラル志向の進む海外市場も視野に入れ、市場開拓をしていく。
赤ダイコン色素は、アブラナ科ダイコン(RaphanussativusL.)の赤紫の根より得られるアントシアニン系の水溶性色素。特徴的な黄みの強い明るい赤色調が評価される一方、原料由来の臭いや経時的な戻り臭(ダイコン由来のオフフレーバー)がネックとなって用途が限定されてきた経緯もあり、各製剤メーカーが改良に取り組んできた。
今回上市した「アートレッド®RD」および「粉末アートレッド®RD」は、こうした課題をクリアした製剤で、同社従来品「ベジタレッドAD」と比較して、臭い成分の合計濃度(メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドの合計量)を約1/150に低減することに成功。さらに、加熱保管後(50℃、5日間)の戻り臭については、従来品と比較して、約1/235と大幅に低減したことを確認している。
製品の賞味期限は液体タイプで1年、粉末タイプは2年に設定。Kosher、Halalに対応することも可能である。同社では、赤ダイコン色素をはじめ、エルダーベリー色素、紫コーン色素、ブドウ果汁色素、紫イモ色素、赤キャベツ色素など酸性食品の赤黄色~赤紫色に利用できる多彩な品揃えをしており、顧客の要望に幅広く対応していく考え。ナチュラル志向の進む欧米市場をはじめ、海外展開にも期待がかかる。
アントシアニン系色素の比較(pH3.0)