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三栄源エフ・エフ・アイ、WPIとキサンタンを用いた乳化技術を食品に応用へ

三栄源エフ・エフ・アイは、ホエイタンパク分離物WPIと多糖類キサンタンガムの複合体によるピッカリングエマルションの安定化に成功し、食品分野への新たな乳化方法として応用を目指す。

ピッカリングエマルションとは、微粒子を液液界面に吸着させることで安定化したエマルション。従来の界面活性剤に比べて安定性が非常に高く、大きな乳化物を作成できる。現状ではシリカやカーボンブラックなどさまざまな固体粒子がエマルションを安定化することが報告されている一方で、実食品への応用例はまだ少ない。

今回作成したプロトタイプでは、WPIとキサンタンガムが静電相互作用により複合体を形成し、複合体形成によってエマルションの乳化安定性が向上することを確認。

さらにCryo-SEMによるエマルションの微細構造の観察により、粒子状のWPI-キサンタンガム複合体がピッカリングエマルション様に油滴表面へ吸着するとともに同複合体とキサンタンガム分子鎖によるネットワークの形成が高い乳化安定性に寄与していることが推察された、としている。今後は本乳化技術の汎用化の検討を進めるとともに、食品への応用を進める。

なお、研究成果は「タンパク-多糖類の複合体によって安定化されたピッカリングエマルションのキャラクタリゼーション」の演題で、8月29~31日に行われた日本食品科学工学会第66回大会で発表されている。

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