DSM社は、ヒトミルクオリゴ糖(以下「HMO」)の世界的大手サプライヤーである Glycom A/Sの買収を完了したと発表した。Glycom社の買収に関しては、2020年 2月 21日に発表していた。
HMO は、母乳の中で脂肪と乳糖に次いで大きな割合を占める固形分。ヒトの母乳にのみ含まれる天然成分で、特に免疫と認知機能発育に対する効果が期待されている。栄養補助食品としての活用、飲食料品やペットフードとしての潜在的用途、さらには過敏性腸症候群などの医療・栄養ニーズを満たし得るものとして、大きな関心が寄せられている。
HMOのパイオニア的企業であるGlycom社 は、サイエンスに裏打ちされた豊富な製品群を擁しており、HMOを自社で一貫生産できるメーカー。デンマークのエスビャウに最先端製造プラントを有し、大規模生産を行っている。独自の製品開発や前臨床・臨床試験も行われており、薬事専任チームも有する。イノベーション計画の一環として次世代HMO の開発にも取り組んでおり、今年4種類のHMO 製品を新たに発売する予定。欧州を中心に成長を遂げているHMO市場がさらに活気づくことが期待されている。
DSM ヒューマンニュートリション・ヘルスのプレジデントであるJeremy Xuは、次のように述べている。「GlycomチームをDSMに迎え入れられることを大変嬉しく思います。また、私たちは、Glycom のプロフェッショナルなチームと共に働けることを誇りに思います。お客様が有効で安全なソリューションを開発できるよう、私たちは一丸となって取り組みます。これは GlycomとDSMの両社が最も大切にしている価値観です。また、世界人口が増加する中、人々の健康維持を実現するという私たちの約束の一つでもあります。」
また、Glycom社のCEOであるOdd Hansenは「両社が1つの組織、1つのチームとして再出発する、まさに門出の日です。それぞれの得意とする能力と専門知識を合わせることで、相乗効果が生まれるでしょう。DSMはこれまで、乳幼児向け食品および栄養補助食品分野において、グローバルで幅広いお客様に一連のソリューションを提供してきました。この度の統合により、顧客の皆さまにHMO製品群も皆さまに提供できるようになることを非常に嬉しく思います。」と述べている。
※ヒトミルクオリゴ糖に関しては、
「食品と開発」4月号でBASF社の執筆記事を掲載しています。
⇒食品と開発4月号の紹介
また、デュポン社でもヒトミルクオリゴ糖を取り扱っています。
⇒乳酸菌記事の中にHMO取り扱いについて記載