有機合成薬品工業は今夏をめどに、β-アラニンのサンプルワークを開始する。かねてから常磐工場においてGMP管理下でAPIグレードと食品グレードを製造し、食品グレードを海外のスポーツニュートリション市場に供給してきた実績があり、昨年3月に食品扱いとなった国内市場での取組みが注目されていた。同社では筋肉維持への効果からサルコペニア市場を有望視しており、品質の確かさとメイド・イン・ジャパンを前面に押し出し、市場開拓していく意向である。
β-アラニンは体内で天然に生成するペプチド(カルノシン)の構成分子で、摂取することで筋肉に直接作用し、ヒスチジンとともにカルノシン合成を促進する。欧米市場では、カルノシンレベルを向上する働きがあることから筋肉の強さとパワー、持久力を向上する効果が期待され、スポーツニュートリション市場で一大ブームを築いてきた経緯がある。
同社では、無味・無臭である点、水溶性が高い点なども踏まえ、中高年層の筋肉維持をコンセプトとする健康志向食品などを視野に入れ、提案していく考え。アラニン・フラッシュに備え、腸管からの吸収を考慮したアプリケーションを協同で取組むことも検討している。