今年3月~5月の家庭用こめ油の市場が、昨対比で42%増と大幅に伸長したことが築野食品工業のPOS調査でわかった。巣ごもり需要による影響で家庭用植物油全体の売上が拡大しており、カテゴリー全体の伸長率では昨対比で11%増。こめ油は、汎用性が高く健康に良いイメージが後押しし、ゴマ油とともに市場を牽引する結果となっている。(2020 年3~5 月日経 POS データ全国金額ベース実績より)。
こめ油は 100%米ぬかを原料とした良質の植物油。玄米由来の栄養成分(γ-オリザノール、植物ステロール、トコトリエノール、トコフェロール等)に対する健康維持への期待とともに、こめ油自体の風味などが評価され、家庭用では揚げ物、炒め物、ドレッシングなどに活用されている。揚げ物をすると部屋中に油のニオイが立ちこめて、気分が悪くなったり食欲がなくなったりする「油酔い」といわれる状態になるが、これは加熱による油酔い物質の発生が原因。こめ油はこの物質の発生が他の食用油に比べて少なく、快適に調理ができ、部屋にイヤなニオイが充満したりすることがない。
築野食品工業の家庭用国産こめ油は、特に大容量サイズ(1500g)の売上が拡大しており、料理のジャンルを選ばず、健康によいイメージが認知され、普段使いの油としてこめ油を利用が進んだと分析している。