セティが紹介しているオーツ麦オイル「SWEOAT® OIL」は、極性脂質に富んだ植物オイルで、乳化作用を有するため、チョコレート、パン、マーガリン、アイスクリーム、フィリング等に使うことができる。乳化力をもつ食品素材として提案し、評価・検討が進められている。
オーツ麦は種子類に比べて油脂含量が低く、既存の製法ではオイルを回収できなかったが、Swedish Oat Fiber社が開発した抽出・分別法により、オーツ麦オイルの製造が可能になった。極性脂質を豊富に含み、なかでも糖脂質の組成は多様で、モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)やジガラクトシルジグリセリド(DGDG)やそのエストライドなど異なる極性の糖脂質が含まれている。規格値は極性脂質含量40%以上。
同品をチョコレート生地に添加した際の流動性試験および降伏値試験では、大豆レシチン、PGPRと比べて、標準チョコレート生地(脂肪分33.9%)と低脂肪チョコレート生地(同29.5%)のどちらでも作業能率の向上を確認している。安定性試験でも大豆レシチンおよびPGPRと同様の結晶多形分布をみせ、ファットブルーム発生抑制も同程度であった。
クッキーやアイスクリームなどのチョコレートコーティング性能をみた試験では、大豆レシチンに比べて流動性が高く、より薄く速くチョコレート被膜を形成することを調べている。
※食品と開発8月号では、乳化剤について紹介しています。
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