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カロテノイドの摂取量と抑うつリスクに逆関連性(米国での研究解析結果)

米国での横断研究の結果から、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ルテイン・ゼアキサンチンおよび総カロテノイドの摂取が米国成人における抑うつ症状のリスクと逆の関連にあるかもしれないことが示された。

抑うつは気分障害に分類され、極度の悲嘆、無気力、食欲不振、喜びをもたらしてくれたことへの関心の欠如などの症状を長期的に引き起こし、WHOは世界中で2億6,400万人以上の人が抑うつに冒されていると推測している。

今回の研究では、National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)2009-2016に参加した18~80歳までの17,401人において、9項目からなる抑うつ症状スクリーニングの質問票(PHQ-9)を用いて評価した。参加者のカロテノイド摂取に関するデータは、24時間思い出し法による問診で入手した。
・PHQ-9:抑うつ症状の重症度を判定するための自記式スクリーニングツール。PHQ-9スコアが10以上になると抑うつ症状があるとみなされる。
・24時間思い出し法:食事調査法の一つで、過去24時間に飲食したものを思い出してもらう方法。訓練された調査員が対象者に問診する。

解析の結果、抑うつ症状の有病率は女性、喫煙者、および高血圧で糖尿病の人で高く、同時に、そのような人のα-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ルテイン・ゼアキサンチン、総カロテノイドおよびエネルギー摂取は、抑うつ症状のない人よりも有意に低いことが明らかとなった。

今回の関連解析の結果は、米国の中年女性においてα-カロテンとβ-カロテンの高摂取が抑うつ症状のリスク低下と関連していることを見出した過去の関連解析と類似していた。他の報告でも、食事性β-カロテンの摂取が韓国の学生における抑うつ症状と負の関連にあることが明らかとなっている。

カロテノイドが抑うつ症状に対して保護的役割を果たすと考えられるメカニズムは、①カロテノイドによる炎症性サイトカインの減少を介したもの、②カロテノイドの抗酸化活性により活性酸素種や他のフリーラジカルを効果的に除去し、脳を酸化的損傷から保護する、ということが考えられている。

※マレーシア・エクセルバイト社の発表より

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