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黒ウコンのポリメトキシフラボノイドがSIRT1を活性化する

東京大学大学院農学生命科学研究科、常磐植物化学研究所らの研究グループは、黒ウコン由来のポリメトキシフラボノイドがレスベラトロールよりも効果的に「長寿遺伝子由来酵素SIRT1」を活性化することを実証し、このほど発表した。 本研究は、世界的権威ある学術雑誌「Nature」の姉妹紙である「Communications Biology」に掲載される。

「長寿遺伝子由来酵素SIRT1」は、がんや老化関連疾患の予防に関与する。SIRT1はレスベラトロール等のポリフェノールによって活性化されることが知られている。東京大学大学院農学生命科学研究科の永田宏次教授らは、黒ウコンKaempferia parviflora 由来のポリメトキシフラボノイドである、ケルセチン 3,5,7,3′,4′-ペンタメチルエーテル(略称KPMF-8)によるSIRT1活性化効果について、蛍光基がついていない天然のアミノ酸配列をもつ基質ペプチド(Ac-p53)とSIRT1との親和性を等温滴定熱測定法により測定した。

その結果、KPMF-8が SIRT1 に結合することで、酵素(SIRT1)と基質(Ac-p53ペプチド)との親和性が8.2倍に増強されること、一方、レスベラトロールがSIRT1に結合した場合、1.4倍に増強されることが判明した。

さらにヒト培養細胞(MCF-7)を用いて、細胞外に加えたKPMF-8やレスベラトロールが細胞内のSIRT1を活性化できるかどうか調べたところ、培地に添加したKPMF-8が細胞膜を透過して、細胞内のSIRT1に直接作用し、細胞内のSIRT1活性を亢進させることも示した。本研究の成果は、食品成分の摂取によりSIRT1を活性化できることを示唆しており、健康寿命の伸長に貢献できる可能性がある、としている。

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