中原は、グルコースを原料にパン酵母(S.cerevisiae)で発酵、抽出した酵母プロテインのサンプルワークを開始した。酵母プロテインはたん白を80%含み、BCAAをはじめアミノ酸バランスに優れるのが特長。淡黄色の粉末で、酵母特有の味わいを呈する。
製造に関わるCO₂排出量や水の使用量、必要な土地面積等の観点から環境負荷の少ないたん白源として中国現地や海外市場で注目を集めており、中原ではSDGsに則した商品づくりを視野に入れ、酵母プロテインとビタミン・ミネラルを配合した完全食(スープ・ドリンク)への提案を進めている。
ホエイプロテインに比べ栄養価が高く、たん白質消化吸収率補正アミノ酸スコア法(PDCAAS)による評価では、酵母プロテインのスコアはホエイと同等であり、大豆プロテインよりも高いことを確認している。緩やかに消化吸収されるため、満腹感の維持や運動の持続性にも役立つ。また食物繊維を10%含んでおり、腸内フローラの正常化にも期待されている。
機能性研究では、酵母プロテイン摂取による筋肉量の増加などの臨床試験が進行中。栄養評価や腸内フローラの調節とサルコペニア予防に関わる臨床試験も準備を進めている。