ウエノフードテクノは、鮭白子に含まれるポリアミン含量が、一般に多いとされる大豆や小豆よりも多く、さらに高い活性が期待できるスペルミジンとスペルミンの合算量が多いことを突き止めた。
ポリアミンは、細胞の成長や代謝に関与する生命維持に欠かせない物質。生物界に広く存在する生理活性アミンであり、主としてRNAと相互作用しタンパク質合成を促進する役目を果たす。加齢によって体内のポリアミンが減少することが知られており、老化との関連(疾病、免疫機能など)も示唆されている。
今回の研究では、鮭及び鰊白子に含まれるポリアミンとしてプトレスシン、スペルミジン、スペルミンを測定。また、鮭白子ポリアミン組成物を作成し、抗糖化に関わる機能性についても評価した。
その結果、鮭白子には0.0348%、鰊白子には0.0062%のポリアミンが含まれることを確認。大豆(ポリアミン濃度 0.0160%)より多くのポリアミンが含まれており、その中でスペルミン+スペルミジン含量も高いことが判明した(図)。また、今回調製した鮭白子ポリアミン組成物(ポリアミン濃度 0.29%)において最終糖化生成物(AGEs)の生成抑制効果を評価したところ、市販の抗AGEsを訴求する植物エキスより高いことを確認している。
これまで同社では鮭や鰊の白子からしらこたん白抽出物(プロタミン)を製造しており、新たなポリアミンのリソースとして市場性を探っていく、としている。
なお、この詳細は5月19-20日に開催する第28回日本食品化学学会で発表する。