林原では、良質でキレの良い苦味を付与できる「ナリンビッド」を5月20日に発売すると発表した。「ナリンビッド」は、柑橘由来のナリンジンに同社の酵素技術を用いて澱粉由来のグルコースを結合させた糖転移ナリンジン(酵素処理ナリンジン)。
■高い水溶性
糖転移により水溶性が極めて高くなっており、ナリンジンに比べて水への溶解度が6,000倍にも高まっている。
※25℃で水100gに対する溶解度
ナリンビッド 200g以上 ナリンジン 0.03g
溶解性は安定的で、低温でも結晶は析出しない。水だけでなく、エタノール水溶液中でも結晶が析出しないため、高濃度配合の濃縮液の調製も可能。ナリンジンよりも苦味が強く、10~50ppmという微量でキレのよい苦味を付与できる。
■幅広い味質改善機能
切れの良いさわやかな苦味を付与する苦味料としてはもちろんだが、柑橘由来のさわやかな風味をもつため、柑橘の果汁感向上やボディ感の向上も可能。添加量を調整することで甘味の増強や後引き改善、コーヒーや抹茶の風味改善、チョコレートのビター感向上もできる。
■SDGsへの貢献
「ナリンビッド」の原料となるナリンジンは、摘果した幼果や落下した果実など本来は廃棄される柑橘から作られることから、サステナブルな素材と言える。
■生理機能への期待
ナリンジンは、グレープフルーツや文旦、サワーオレンジなどの柑橘類の果実に多く含まれるポリフェノールの一種。「ナリンビッド」は生体内で分解されてナリンジンとなり吸収されることから、ナリンジンの生理機能として知られる脂質代謝改善なども期待できる。
■製品仕様
性状 白~黄褐色の粉末
ナリンゲニン配糖体 85%以上(乾燥物換算)
溶状 澄明
荷姿 1㎏袋
■応用範囲は様々
ノンアルコールビールやモクテル、カクテル・チューハイなどのRTD、果汁系飲料・炭酸飲料などの飲料分野、香料分野などを中心に販売活動を行っていく。そのほか、キャンディやグミなどの菓子、スープ、栄養補助食品などへの応用も考えている。