鰹節エキスなど水産エキスで知られるイズミ食品では、このほど埼玉県本庄市に関東の製造拠点となる工場を完成、5月26日に開所式を行った。開所式ではまず同社名誉顧問の東京農業大学名誉教授で発酵学者の小泉武夫氏が祝辞を述べ、続いて同社取締役社長の水野 勉氏が挨拶と今後の抱負を述べた。
同社の設立は1974年で約50年の歴史を持つが、設立当初から鰹節製造で歴史のある鹿児島県枕崎市のボニト食品と提携し、鰹節エキスの販売を手掛けてきた。同社の看板商品「風味源シリーズ」は鰹節の高濃度タイプのアルコール抽出エキスで、他社にない高力価が評価され、アルコール抽出鰹節エキスではトップシェアを持つ。現在はその他の水産物のアルコール抽出エキス、熱水抽出エキスを手がけ、年々需要量を増やしている。今回埼玉に製造拠点を持ったのも増える需要に対し、関東以北への供給を迅速にするため。
埼玉工場は敷地面積9,577㎡、延床面積2,847㎡、倉庫棟907㎡で、工場設備としては原料貯蔵タンク、調合タンク、チューブ式殺菌機、サージタンク、自動充填ラインなど最新設備が配置され、サニタリー性と省人・省力化に対応した工場となっている。
新工場では鰹節エキス(アルコール抽出品、熱水抽出品)製品を中心に、昆布、煮干し、アサリ等、他の水産エキス製品の製造を行うとともに、熱変性を極力抑え風味を重視したチルドタイプのエキス製品製造、エキス・調味料のOEMを今後手掛けていく予定だ。