三菱ケミカルグループは、同社が製造販売する乳化剤「シュガーエステル」について、3月に本格稼働を予定している三菱ケミカル九州事業所(北九州市)の製造設備に、新ラインを追加してさらに設備能力を増強することを発表した。
同社グループは、国内の安定した需要と中国などの海外需要の伸長、BCP対応に応えるため、稼働中の東海事業所(製造能力10,000トン/年、三重県四日市市)に加え、九州事業所内に新たに製造工場を建設。新工場は製造能力2,000トン/年を有し、本年3月の本格稼働を予定している。今回の発表は、その新工場にさらに1,100トン/年の新ラインを増設するというもので、新ラインはすでに1月から着工されており、稼働開始は2026年3月を予定している。
併せて今春から、同社グループでは欧米や東南アジアにおけるマーケティング体制を強化するため、各地域での営業拠点設立を検討し、すでに食感やおいしさの向上など、顧客ニーズに応じた商品設計を開始している。これらの活動に加え、シュガーエステル製造設備は、コーシャ認証・ハラル認証を取得済みであり、海外でのさらなる需要増が見込まれることから、今回の新ライン増設に至った。
【シュガーエステル】
シュガーエステルは、ショ糖と植物油脂由来の脂肪酸を主原料とした乳化剤。水分と油分を均一に混合させる機能を有し、食品の加工や流通保管時の品質維持に役立ち、飲料(缶コーヒーなど)、乳製品(ホイップクリームなど)、菓子(ケーキやチョコレートなど)といった幅広い分野で使用されている。