関連トピックス

紅麹原料とベニコウジ色素との違いを示す比較表を公開

一般社団法人日本食品添加物協会は4月30日、小林製薬が製造販売しているサプリメント等に利用されている「紅麹原料」と食品添加物「ベニコウジ色素」が異なる点を比較表として作成し、同協会HP(https://www.jafaa.or.jp/kyokai)で公表した。小林製薬の「紅麹原料」を含む健康食品による健康危害事件を受け、今年3月29日には食品添加物「ベニコウジ色素(別名:モナスカス色素)」とは異なるとの見解をQ&A形式でメッセージを発信しており、今回の表は追加情報としている。

同協会の見解(既報)では、ベニコウジ色素については
⑴ベニコウジ色素は「第10版食品添加物公定書」(参考情報1)において定義された着色料であり、国が使用を認めている。
⑵ベニコウジ色素はベニコウジカビ属糸状菌(Monascus pilosus 及び Monascus purpureus に限る。)の培養液から得られた、アンカフラビン類及びモナスコルブリン類を主成分とするとされ、食品の着色目的で使用されるものであり、食品には着色料ときちんと表示される。
⑶「ベニコウジ色素」は液体培養した菌体から抽出・殺菌処理を行い生産される。
と、3点について言及。

一方、紅麹については
「固体培養にて製造され、肝臓でのコレステロール生合成を阻害するモナスコリン類を主成分とし、他、着色物質、有機酸、アミノ酸など種々の成分を含み、血中コレステロール値を低下させる目的で使用される。」とする文献総説(参考情報2)などを参考に違いを示した。

また、食品添加物「ベニコウジ色素」の安全性については
「食品添加物「ベニコウジ色素」は、第 10 版食品添加物公定書において、使用基準が定められ、 食品の着色において必要最少量で使用することになっています。これらの管理のもとで、これまでに健康危害が発生したことはありません。」との見解を述べている。

なお、「着色料(紅麹)」の表示については、①食品原料である紅麹原料を着色目的で使用した場合(一般飲食物添加物)②食品添加物ベニコウジ色素を使用した場合、の2パターンあり、表示文字数を抑える観点からもどちらとも区別がつかない場合がある。

参考情報
1.第 10 版食品添加物公定書, ベニコウジ色素
https://www.jafaa.or.jp/wp-content/uploads/2024/03/%E7%AC%AC10%E7%89%88%E5%85%AC%E5%AE%9A%E6%9B%B8_%E3%83%99%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%B8%E8%89%B2%E7%B4%A0.pdf
2.Red Yeast Rice:A Systematic Review of the Traditional Uses, Chemistry,
Pharmacology, and Quality Control of an Important Chinese Folk Medicine, BoZhu et al. Frontier in Pharmacology, 10 (1449) 2019
https://www.frontiersin.org/journals/pharmacology/articles/10.3389/fphar.2019.01449/full

関連記事

  1. 腸内細菌学会学術集会(6月)事前登録を開始
  2. ブルーベリー茎葉抽出成分中に新型コロナウイルスの不活化効果
  3. L-テアニンが認知改善に有効である試験結果を学会で発表
  4. トマト由来成分の「美と健康」をテーマに
  5. 食品と開発 ニュース プロテインケミカル、事故のお詫びとお知らせを公表
    グルコサ…
  6. 食品開発展2018、盛会裡に閉幕
  7. IoTや計量制度改正に関する情報を提供
    食品メーカー関係…
  8. ベニバナの赤色色素カルタミンの合成酵素を世界で初めて同定

お問い合わせ

毎月1日発行
  年間購読料 33,000円(税込)
      1冊 3,300円(税込)

食品開発展2025

PAGE TOP