発酵および微生物の独立系グローバル企業であるルサッフル社(Lesaffre) は4日、酵母誘導体製品を製造する多国籍企業 Zilor 社の事業部門である大手酵母エキスメーカー、バイオリジン社(Biorigin)の過半数株式を取得し、風味付与原材料用の酵母誘導体の供給を強化することを発表した。ルサッフル社とバイオリジン社の補完的な能力を活用して、世界中の顧客向けに酵母由来成分と風味成分のソリューションを強化することが主な目的。ルサッフル社はバイオリジン社の総資本の 70% を保有する支配株主となり、Zilor 社は 30% を保有する株主として残ることとなる。
この取引では、砂糖、水、再生可能エネルギー資源が豊富なブラジルに拠点を置く工業プラントである Quatá/São Paulo のバイオリジン社の生産ユニットが含まれており、両社の事業統合により、生産能力が向上するほか、生産プロセスや物流、サービスが向上し、人間の食品および動物栄養業界向けの天然由来成分の生産とマーケティングに基づく新しいソリューションが提供され、顧客にメリットがもたらす、としている。
ルサッフル社の CEOであるBrice-Audren Riché 氏は「バイオリジン社の過半数株式の取得は、ルサッフル社にとってエキサイティングな新章の始まりです。現在、社会は天然素材からのセイボリー原材料を求めており、人間の食品および栄養産業の高まるニーズを満たす開発機会がもたらされます。この戦略的アクションにより、ルサッフル社とその事業部門である 『バイオスプリンガー by ルサッフル』 はセイボリー原材料市場向け酵母エキス分野のグローバルプレーヤーとして強化され、当社は新たな次元へと前進しています。重要な点は、当社が主要な戦略的パートナーである Zilor 社と、この取り組みを行っていることです。Zilor 社はルサッフル社と同様の価値観を共有し、企業の社会的責任に重点的に取り組んでいます。バイオスプリンガー社を通じて食品のレシピづくりにおいて風味付与に責任を持つことを提供することに尽力しており、バイオリジン社とともに、世界中のお客様に強化された酵母誘導体および風味豊かな原料ソリューションを提供できる立場にあります。」と述べている。
なお、ルサッフル社は10月2日付でdsm- firmenich社の酵母エキス事業の譲受が完了したことを発表している。