ドイツに本社を構えるコラーゲンペプチド・ゼラチンのリーディングカンパニー、ジェリータでは、科学的な研究に基づいたコラーゲンペプチド『Bioactive Collagen Peptides®(バイオアクティブコラーゲンペプチド)』シリーズの開発・販売を行っている。
2019年には日本国内への供給を目的にジェリータジャパン(株)を立ち上げ、バイオアクティブコラーゲンペプチドを中心に用途提案・サービスの提供を行っている。2022年には機能性表示食品として受理され、「肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける(抜粋)」旨の表示が可能に。日本国内での供給量を着実に伸ばしている。
現在、コラーゲンについては世界的に利用機運が高まっており、米国では美容素材として再評価され、コラーゲンペプチドの利用が急速に拡大。なかでもサイエンスベースのコラーゲンペプチドとしてジェリータ社の原料採用が広がっているという。このたび、ジェリータUSのLara Niemann氏 (Global Category Manager – Marketing (Beauty and Innovation) (写真1)が来日。米国でのコラーゲンペプチド利用の現状と今後のグローバルでの展開について聞いた。
■サイエンスに裏付けされた製品を世界へ
Lara ジェリータ社は1875年にドイツ南西部、エーバーバッハで創立。現在、世界中に22以上の生産拠点と12の営業拠点を持つ、コラーゲンペプチド、ゼラチンのグローバルカンパニーで、全世界で2,800人以上の従業員が働いている。コラーゲンペプチドやゼラチンのスペシャリストとして、食品、栄養補助食品、医薬品業界、その他の技術的用途向けに原料の開発、生産を行っている。
近年、食品における機能性が重要視されるようになり、当社では2012年頃からエビデンスに裏付けされたコラーゲンペプチド製品として『Bioactive Collagen Peptides®(バイオアクティブコラーゲン)』シリーズの販売を開始。“エビデンスを持つコラーゲンペプチド”として世界的に知られ、これまでヒト試験での有効性論文は30報を越える。
コラーゲンは、動きやすい関節、丈夫な骨・腱・靭帯、滑らかな皮膚、健康的な髪・爪 など、身体の多くの部分を構成する成分で、ヒトでも動物でも生体内に最も多く存在するタンパク質。バイオアクティブコラーゲンペプチドは、目的シーンに効果的に作用する分子量サイズを選定しており、独自の技術により開発・製造している。従来のコラーゲンペプチド原料よりも少ない摂取量で効果的に作用するように設計しているのが特長だ。
現在、コラーゲンの利用が世界的に急拡大しているが、なかでも米国ではここ数年コラーゲンのニーズが高まり、一大ブームとなっている。米FDAでは「健康な髪と爪」や「小ジワの改善、肌弾力性の改善」などの構造機能強調表示が行え、流通するコラーゲン用途の約50%がビューティを訴求した商品だ。ジェリータでも美容関連の論文を6報投稿しており、美容に働きかける有用性が広く知られるようになった。目的別では次にスポーツニュートリションとしての利用が多い。筋肉や腱、筋膜を丈夫にしたり、しなやかにすることを目的に利用が促進されている。また、ここ10年はボディバランスを整える目的で利用が一般化し、ホエイプロテインの補完的役割で摂取されているほか、次世代プロテインとして摂取する傾向も増えてきた。その意味では、コラーゲンペプチドは“デイリーウェルネス”に欠かせない存在になりつつある。
■目的別に7種類をラインアップ『Bioactive Collagen Peptides®』
Lara 現在、『バイオアクティブコラーゲン』シリーズは目的別に7つの番手を用意している。テーマごとに「VERISOL/肌・髪・爪の健康」「FORTIGEL/関節の健康」「FORTIBONE/骨の健康」「BODYBALANCE/体組成の調節」「TENDOFORTE/靭帯・腱の健康」「PETAGILE®/ペット向け」「PeptENDURE/持久力向上」の計7種類を揃える。
主力製品の「VERISOL(ベリゾール)」はグローバルで利用が拡大しているジェリータの顔ともいうべき原料。美容目的に利用が広がっており、健康な肌、髪、爪を通して総合的な美しさと健康の実現をサポートする。1日あたりの摂取目安量は2.5gと低用量。これまでに「シワや小じわの軽減」「肌弾力を高める」「皮膚表面の構造改善(セルライトの減少)」「髪の厚みを増す」「爪の成長と強度を改善」などをテーマに臨床試験を行い、有意な結果を得ている。
スポーツニュートリション製品に採用される「PeptENDURE」は、筋肉の変化を通じて持久力トレーニングの効果と長期的なパフォーマンスを高めることが実証された原料。同分野では市場初のコラーゲンタンパク質として展開している。2つのプラセボ対照試験で効果が実証されており、1日15gを継続摂取することで、ランナーの走行距離が伸びたことを確認。また、摂取後14%速く走れるようになったことも確認している。持久力向上をサポートするコラーゲンとして、長距離走や、高強度のジムトレーニングまで、継続的にパフォーマンスを向上させたいアスリートやスポーツ選手からの支持を集めている。
ジェリータのコラーゲンペプチドは、それぞれの訴求目的に応じてペプチドの分子サイズを変えている。より少ない摂取量で効果的に作用させることができ、製品化する際のアプリケーションにも有利に働くメリットがある。わかりやすい例でいえば、近年人気のペット向け原料「PETAGILE」は、動物に軟骨細胞に適した平均分子量6,000で設定している。通常ヒトの軟骨細胞向けでは一般的に平均分子量3,000が効果的に作用を発揮するが、動物に最も効果が現れる分子サイズを細胞試験で突き止め、製品化している。関連論文も3報発表している。日本でもコロナ以降ペットブームが高まり、室内犬を飼う家が増えているが、普段はフローリングの室内で、散歩の時は外に散歩で出歩くケースが多く、この環境の差により、膝関節が弱い犬が多い。「PETAGILE」はそうした膝関節へ作用する働きがあるほか、摂取すると毛並みが良くなるといった事例が報告されている。日本ではペットフードに採用されるなど、これからが楽しみな分野だ。
■「肌の弾力維持、肌の健康を守る」で機能性表示食品に 現在、他のテーマで届出も準備
田辺(写真2) ジェリータの日本国内への展開は2019年から。ジェリータジャパンを設立した2022年より本格的に原料供給を開始した。『バイオアクティブコラーゲン』シリーズは、エビデンスが豊富に蓄積されており、日本市場参入と同時に機能性表示食品の利用を見据えた準備をスタートした。2022年に「VERISOL」を配合したサプリメント『ベリゾール プロ』(届出番号H47)が機能性表示食品として受理され、「肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける(抜粋)」旨の表示が可能となった。肌の線維芽細胞への効果的な作用を狙い開発された美容訴求のコラーゲンペプチドで、機能性表示食品に対応したことで、従来に増してより訴求を強調できる原料となった。
受理をキッカケに『VERISOL』の認知も徐々に拡大し、現在では多くの食品メーカーに採用頂いている。機能性表示食品については、現在他の原料で肌以外のヘルスクレーム領域で届出準備を進めており、2024年7月には『FORTIGEL/関節の健康』もユーザーを通じて届出が完了した。受理が増えてくれば、商品開発のバリエーションが広がるため、さらなる原料の拡販に期待が持てると考えている。
当社の原料についてはいずれも溶解性に優れた特徴を持ち、風味が良い点が高く評価されている。ここ数年は、タンパク強化を目的とした商品への採用も進んでいる。こうしたニーズを受けて、現在日本におけるスポーツシーンでのコラーゲンペプチドの利用拡大を図っている。新しい取り組みでは、自動販売機タイプのドリンクサーバーにコラーゲンペプチドをセットしたデモ機を食品開発展2024でも設置予定(写真3)。スポーツジムなどへの設置を想定した利用シーンの提案も進めている。今後は、グローバルでのトレンドを意識しつつ、日本のマーケットにもマッチした原料展開を進めていきたい。
ジェリータジャパン(株)は食品開発展2024に出展します。
ブースNo.2-374
【食品開発展2024】
10月23日(水)~25日(金)東京ビッグサイト西ホール
https://hijapan.info/