塩の専売制廃止以降、塩業界を巡る環境は大きく変化してきた。現在、家庭用、食品加工用合わせて1,500種類以上の塩が流通している。
最近では、スイーツなど塩をアクセントに用いた商品や低ナトリウム塩に注目が集まっており、応用範囲も拡がりつつある。一方で、エネルギーコストの高騰や世界的景気の後退で塩市場はかつてない苦境に陥っている。
本稿では、家庭用塩および食品加工塩のトレンドを追うとともに、製塩メーカーと輸入業者の動向を取り上げる。
<主な内容>
◆食用塩の表示に関する公正競争規約
◆価格改定への動き
◆家庭用塩の動向
◆食品加工・業務用塩の市場動向
◆特殊製法塩・輸入塩メーカー各社の動向
<注目の塩メーカー>
・青い海
メキシコ・オーストラリア産天日塩を沖縄の海水で溶解した後、平釜で再結晶化させた「シママース」
・天塩
オーストラリア産天日塩を原料にした赤穂での伝統技術を活かして製造された「赤穂の天塩」
・あらしお
メキシコの天日塩を原料に静岡の天然水溶解し、平釜で再結晶化させた「あらしお」
・塩友商事
中国の天日塩を原料とした低ナトリウム塩の「低鈵塩」
・ジャパンソルト
海外天日塩と沖縄の海水を原料にした「美ら海の塩」
・特殊製法塩のリーディングカンパニー伯方塩業 「伯方の塩」
・日本精塩
メキシコ産の天日塩を「せんでき法」で製造した「く~ちゃん天日塩」