油脂類の酸化劣化物は、生体に害を及ぼすことは良く知られ、フライ油のように高温調理して使う油脂では、酸化劣化の程度を常にチェックして使うことが、製品品質の安定化と経済的効果をもたらすことになる。
油脂の酸化劣化の指標としては、過酸化物価、酸価、カルボニル価、アニシジン価、チオバルビツール酸試験、極性化合物量などが用いられる。わが国では、フライ油の劣化をみる簡易法としてこれまで遊離脂肪酸量をみる酸価計測が一般的に行われていたが、数年前から欧州各国で指針としてガイドライン化されつつある極性化合物でみる方法が紹介され、国内でも急速に普及している。極性化合物は油脂の酸化劣化の過程で生成する全ての化合物を指し、公定法ではカラムクロマト法が挙げられているが、クロマト法では時間と分析技術を要する。そこで現場で誰でもチェックできるキット、簡易計測機が開発されている。本稿では油脂の酸化劣化度をみる簡易迅速法を紹介する。
【注目の油脂劣化測定機器】
・プランシュール・ジャパン
~フライ油を冷却させることなく直接浸すだけで温度と品質チェックが可能なフライモニター