~変動するサプライヤー事情~
クエン酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸は、清涼飲料をはじめとする加工食品の酸味付けや味の調整、日持向上効果、pH調整効果などを目的に幅広く用いられている。ここ数年は横ばい傾向が続き、食品分野では成熟市場となっている。
原油価格の高騰や原料穀物相場の上昇などで一昨年から昨年にかけて行われた有機酸の値上げはひと段落し、ほぼ高止まりで推移しているが、世界あるいは日本国内で有機酸サプライヤーの撤退や新規参入などにより市場の状況に変化が起こりつつある。
本稿では、各有機酸の現状を踏まえつつ、市場での動きやサプライヤーの動向を中心にみていく。
<有機酸の主なサプライヤー>
●クエン酸、リンゴ酸を中心に、ニーズに合わせたきめ細かな対応を行う
磐田化学工業
●クエン酸に次いで、リンゴ酸も手がけ始め、市場拡大を目指す
研光通商
●新たに参入、イスラエルのGBI社と中国の諾貝生化科技との合弁企業のクエン酸
島貿易
●唯一の国産品と、中国BBCA社製品の2極体制。純国産品も人気
昭和化工
●乳酸の世界的サプライヤー。水溶性の乳酸カルシウムの拡販・啓蒙に積極的
ピューラック・ジャパン
●有機酸(果実酸)の総合メーカー、多種多様な製品を安心・安全とともに
扶桑化学工業
●顆粒状で使いやすい発酵乳酸カルシウムを新発売
武蔵野化学研究所