食品素材見本市 FiE(Food Ingredients Europe)開催 11/17~19(ドイツ・フランクフルト)
~健康素材でオメガ3増加、スーパーフルーツの展示も~
FiEは2年に1度、欧州の主要都市で実施。出展企業数は前回ロンドン開催から12%増となる1,259社となった。55ヵ国の出展国の中で目立ったのが中国企業で、約200社の中国企業が参加、欧州市場での存在感が大きくなっている。
日本からは、味の素、興人、太陽化学、長瀬産業、日本生物.科学研究所、林原、丸善製薬、森下仁丹、ヤヱガキ醗酵技研、理研ビタミンなどが出展。欧州市場でニューフレーバーとして評判のワサビを出品した金印ワサビでは、ワサビの機能性成分を強調し、来訪者が途切れない盛況ぶりだった。
出展製品は飲料、菓子、ベーカリー、調味料ほか、あらゆる食品の原料素材をカバー。日本の展示会と異なるのは、シリアルやベーカリー、菓子などの原料となる穀類、ナッツ、乾燥フルーツ、飲料のための果汁原料、ソースや調理食品に使う乾燥野菜、デイリー製品の原料となる乳たん白など主原料にあたる製品が多い。このほか天然香料、天然色素、ゲル化増粘剤、乳化剤、甘味料などの添加物や、ハーブエキスやビタミンなどの健康素材まで幅広い製品が出品された。
健康素材の出品は昨年の「HiE」に比べ少ないが、その中でも目立っていたのはオメガ3系、プロバイオティクス、スーパーフルーツなど。数年前まではビタミン、ミネラル、食物繊維が展示会で最も目立つ健康素材だったが、今年は、食物繊維は訴求点としては見られたものの、カルシウムなどのミネラルはあまり見かけなかった。
最優秀技術賞はナショナルスターチ社のでん粉素材「N-Dulge FR」で、ベーカリー部門賞も獲得。コンフェクショナリー部門では、通常の油脂の半分のトランス脂肪酸で同じテクスチャーを出せる不二製油のチョコレートクリーム用油脂が受賞した。主催者が発表した今年のキートレンドは8つ。「アクティブヘルス」「アンチオキシダント」「機能性素材」など健康に関する項目が6つに上り、欧州でも新しい健康・機能性素材がトレンドとして出てきている様子がうかがえる。