塩の専売制廃止以降、塩業界を巡る環境は大きく変化してきた。現在、家庭用、食品加工・業務用合わせて1,500種類以上の塩が流通している。最近では、スイーツなど塩をアクセントに用いた商品や特定の産地の塩で差別化した商品などへ利用されるなど用途の広がりを見せている。
一方で、08年夏をピークに高騰したエネルギーコスト、包装・資材など一連の製造コストの高騰は利益を圧迫し、加えて世界的景気の低迷から塩需要は減少しており塩業界はかつてない苦境に陥っている。
また、今年4月の食用塩公正競争規約の告示猶予切れを前に、各社の新表示への切り替えの動向と、市場への影響も気になるところだ。
本稿では、家庭用塩および食品加工・業務用塩の市場動向を中心に見ていく。
●主な特殊製法塩・輸入塩メーカー
・沖縄の塩「シママース」 青い海
・約1000種類以上の塩を販売する ジャパンソルト
・にがりをほどよく残した「伯方の塩」 伯方塩業
・ク~ちゃん天日塩 日本精塩
・昔ながらの平釜塩 あらしお