原材料調達先から食品製造・出荷までのデータを可視化し、管理を強化するITソリューションが登場し、その導入に踏み切る食品メーカーが増えている。食に関わる不祥事の続出を背景に仕組みとして安心・安全ニーズに対応するだけでなく、そこにはモノづくり企業としての進化に向き合う食品メーカーの姿勢が見えてくる。
管理体制や仕組みの不備に伴う事件・事故の発生を極小化しつつ、人為による不正操作にも可能な限り歯止めをかけられる手段としてFood ITソリューションの導入が浮上し、大手食品メーカーを中心に一定の普及をみた。近年は食品産業の99%を占めるとされる中小零細企業にも導入の機運が広がりつつあり、今日、その導入は安心・安全企業の指標ともいうべきベンチマーキングとしての趣を呈している。だが、導入の狙いは、安心・安全性の確保よりもむしろ生産効率化やコスト削減、資産管理の最適化などの経営改善効果にあるようだ。原材料高騰・製品デフレに直面している食品製造業がFood ITソリューション導入に踏み切る切迫した本音・ニーズがここにある。
■FoodITソリューション提供有力企業
<生産管理ソリューション>
・日立ハイテクトレーディング
・ブロード・システム・ソリューションズ
<成分管理・レシピ管理・企画書管理ソリューション>
・eBASE
・東京システムハウス
・ブロード・システム・ソリューションズ