スパイスは、古くから食生活の中で用いられ、あらゆる場面でその効果を発揮してきた。香味付けなど調味料としての利用はもちろん、抗菌作用、酸化防止作用、矯臭作用などの目的で食卓及び加工食品の製造において重要な役割を果たしている。日本では食生活の洋風化に伴いスパイスのマーケットが拡大、年々伸長を続けてきたが、ここ数年は市場の成熟ともとれる小幅な動きとなってきている。
しかしスパイスはその一方、生理活性面での機能性がクローズアップ、スパイスメーカーでは従来からの調味用途に生理活性機能をプラスすることで、高付加価値素材としての提案を進めている。定着傾向にある唐辛子ブームもこの動きの一端といえ、辛さだけでなく含有成分カプサイシンが大きく取り上げられている。
本稿では、家庭用商品及び食品加工向け原料の需要動向を探るとともに、原料メーカーの今後の展開についてみていく。
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