食品・飲料製造業(機能性素材も含む)は、原材料調達から完成品配送までの品質管理やトレーサビリティ対応といった高度のリスク対策に加え、研究・開発では品質・レシピ情報を駆使した効果的でヒット率の高い商品開発などの課題を抱える。また、生産効率化や歩留り改善、在庫圧縮、輸送効率向上、ラインスタッフの人数・配置の最適化など、競争力強化のための課題も多い。こうした中、ITシステム導入でこれらの課題を解決する企業が増えている。大手・中堅に限らず、中小企業でもそうした動きが拡大。ベンダーも機能・価格を刷新し、システムの普及を勢いづけている。
東日本大震災後、先送りや見直しとなっていたITシステム投資も秋口以降に進展する可能性が出てきている。震災による企業の危機管理は、システム投資に対する考え方も一変させた。ベンダー各社のクラウド型サービス提案が相次いでいるのもこのためだ。一方、クラウド型サービスのリスクを指摘する声もある。大手企業の顧客情報がハッカーによる攻撃で外部に漏れてしまったという事件は記憶に新しい。また、ネット環境が震災などで断たれるケースも考えられる。ただ、クラウド型サービスの持つビジネスの可能性については、肯定的な声が圧倒的に多く、今後、セキュリティーを含めた進化がさらに進むものと見られる。
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