ISO22000は、今年9月末までにJAB認定の登録組織数で281件、非JAB認定の登録組織数で約360件と、計640件以上の登録組織が誕生している。11年度はまだ半期を経たところだが、JAB認定登録組織も合わせると120件以上の登録がプラスされており、今年度も高い伸びが見込まれる。しかし、今年に入ってからは、GFSI(Global Food Safety Initiative)承認規格であるFSSC22000認証を視野に入れた動きが浮上。食品安全マネジメントシステムに関し、新しい流れができつつある。
GFSIは、国際流通に大きな影響を持つ流通・小売・メーカーで構成されるTCGF(The Consumer Goods Forum)が運営する組織。食品安全管理システムの継続的改善に尽力し、消費者への食品供給の信頼性を確保することを目指している。具体的には、食品安全マネジメントシステム、GMP、HACCPの「ハザード分析および重要管理点」の3つの要素が満たされているかどうかの視点からGFSI承認ガイダンスを作成。食品安全マネジメントシステムとして発行されていたISO22000の検証を改めて行った結果、ISO22000では衛生管理のベースとなる前提条件プログラムが細かく規定されていないため十分ではないとの結論に達した。このため、GFSIでは、前提条件を詳細に明記したプログラム「PAS220」を追加要求事項に加えたFSSC22000を10年2月に食品安全マネジメント規格として承認。今夏には、包装材料についての前提条件「PAS223」も英国規格協会より発行されており、年内にFSSC22000の前提条件として正式に組み込まれる予定だ。