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欧州食品見本市FiE視察レポート

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■FiE(Food Ingredients Europe)

  ~パリ Nord Villepinte 会場視察~


 2年に1度、欧州の主要都市で開かれているFood Ingredients EuropeがパリのNord Villepinte会場で11月29日~12月1日に開催された。

 FiEは1986年にアムステルダムで、参加・企業20社という小規模な展示会としてスタートして以来、回を重ね、今年で25年を迎える。その規模は開催都市により多少の幅はあるが、今年は最も多かった2009年のフランクフルトに比べ、出展社数で9%増の1,200の企業が65ヶ国より参加した。

 09年フランクフルトが、その2年前の07年ロンドン開催に比べ、出展社数で12%増加となったことを考えると、今年の25年記念のFiEは大きな伸びを記録したといえる。

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 今年の出展社の国別数65ヶ国のうち、最も多いのは中国で約250社、次いでドイツ、開催国フランス、オランダ、英国の順で、国別参加国の比率は、ほぼ前回と同じであった。欧州の展示会でも近年参加企業数では、中国がトップの座を占め、中国企業の世界への進出ぶりを窺わせる。

 今回、日本企業として出展していたのは、物産フードサイエンス、岐阜セラツク、キミカ、キリン協和フーズ、興人、松谷化学工業、森下仁丹、テーブルマーク、ユニテックフーズ、ヴォークストレーディング、ヤヱガキ醗酵技研、イーストック、インテリジェントセンサーテクノロジーで、その他、味の素、理研ビタミン、林原、太陽化学などは現地法人として出展していた。マルコメはナント、マルコメUSAとしてアメリカパビリオンに入っていたのは驚き!




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 FiEに出品される製品は、欧州の人が日常食べる菓子やスナック、飲料、調理食品、乳製品、ベーカリーなどを対象にしたものが多く、日本のHiに見られるような健康素材は多くはないが、その中で目立った健康訴求を挙げてみると、ドライフルーツやフルーツパウダーに見られた抗酸化訴求、ホエイたん白でみられたウエイトマネジメントなど。健康素材では定番だが、ビタミン、ミネラル、ω3、ファイバーが多かった。

 また、今年の展示会場で目だっていたのはナチュラルスイートとしてのステビアだ。ステビアは09年にフランスで認可になり、昨年のマドリッドのHiではそれほど見かけなかったが、今回は開催地がパリであったこともあり、カーギルやDr. Suwelackのような大手から中小企業まで多くの企業がステビアの紹介をしていた。

 その他、健康訴求で目に付いたのは、ブラジルのDUAS RODAS INDUSTRIAL社が、南米産のアセロラやアサイー、マテなどの原料の訴求に「フルーツ&ニュートリション」というコピーを掲げ、造語として“FRUITTION”というキャッチコピーを訴求していた。またこれまでのFiEでは、あまり見かけなかったコラーゲンペプタイドを骨や肌への機能性やたん白栄養として訴求する企業も目立った。

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 もともと欧州にはゼラチンメーカーは昔からあったが、コラーゲンが肌や骨への機能性素材として注目を集めるようになったのは最近で、日本の市場の影響は大きいと思われる。フィッシュゼラチンが3~4の企業から出されていたのも、日本の影響かと思われる。ユニークなところでは、ドイツのGELITA社がコラーゲンペプチドで脂肪を代替してカロリーマネジメントを訴求していた。

 また、欧州でも高齢者のたん白補給は大きなテーマになっているようで、乳たん白メーカーの訴求には高齢者の栄養を意識した“Nutrition for Healthy Ageing”というコピーも多くみられた。


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