食習慣の変化、少子高齢化、健康志向の高まりなどを背景に、食用塩の需要量は減少傾向にある。「平成21年国民健康・栄養調査」によると食塩摂取量は、男性で平均11.6g/日、女性で9.9g/日で、「日本人の食事摂取基準」(2010年版)で示されている基準値(男性9g、女性7.5g)を上回っており、減塩化がさらに進めば今後も需要量の減少は続くとみられる。このような状況下、特定の産地を謳える塩、湖塩、岩塩、調味塩など個性のある塩の需要は増えており、スナック菓子やスイーツでの登場機会は増えている。本稿では、家庭用塩および業務用塩の市場動向、製品の開発動向を中心にみていく。
【食用塩の市場動向】
●家庭用塩の動向
家庭用塩市場は、縮小傾向が続いている。財務省が発表した10年度塩需給実績によると、家庭用塩(主に小売店を通じて販売され、家庭用及び飲食店等において使用されるもの)の需要量は27.4万トンで、このうち特殊用塩は0.1万トン、特殊製法塩は6.0万トンであった。・・・
●業務用塩の動向
財務省が発表した10年度塩需給実績によると、業務用塩の需要量は前年度比106.7%の102.59万トン(このうち特殊用塩0.1万トン、特殊製法塩16.5万トン)であった。特殊用塩・特殊製法塩以外の用途別内訳を見てみると、・・・
【メーカー各社の動向】
■減塩タイプの塩「まぐねしお」を発売 青い海
■家庭用低ナトリウム塩「あましおハーフ」発売 天塩
■最長の歴史を持つ特殊製法塩平釜塩「あらしお」 あらしお
■湖塩、岩塩などの高付加価値品が好調 ジャパンソルト
■調味塩、高純度塩が好評 日本精塩
■流下式枝条架塩田の再現により、「塩への想い」を届ける 伯方塩業