食品産業にとって廃棄物処理、排水処理、排気処理、悪臭対策はもちろん、CO2削減対策等の環境対策は、避けて通れない課題だ。近年は住宅地の造成が工場周辺に及び、近隣への配慮から環境対策を強化せざるを得ない事態も浮上。2000年に改正された食品リサイクル法は、平成24年度での再生利用実施率目標達成を迫っている。廃水・廃棄物処理についても規制対応に加え、再生資源や有価物の回収などの積極的な取り組みも顕在化。一方、原発稼働停止に伴う電力不足を背景に節電対策の必要性も浮上。省エネをうたった設備にも注目が集まる状況になっている。
食品産業が製造工程、あるいはサービスの提供において発生している食品廃棄物は産業界の努力もあって削減傾向にある。農水省のデータによると、食品廃棄物等の年間発生量が減少する中、再生利用量は増加し、再生利用率の着実なアップが見て取れる。特に食品製造業の取り組みにおける成果は著しく、廃棄物発生量は大幅に減った。一方、食品工場は排水処理をはじめとした設備の再整備・改善を迫られている。新設の設備投資は依然として抑制基調が続いているが、既存の排水設備を生かした余剰汚泥の減容など、負荷引き下げへのニーズは根強く、設備・プラントメーカーへの引き合いは増えている。
<食品産業向け環境対策機器・技術の主な供給企業>
■排水処理対策
○バイオリアクター応用システム
・エイブル
○嫌気性処理技術
・エイブル
○膜(ろ過)技術技術
・日本原料
○高含油排水用有用菌応用システム
○余剰汚泥減容システム
○脱水機
・ヘリオス
■臭気対策
○植物抽出消臭剤アプリケーション