シュガーレス・低カロリー食品市場は、清涼飲料、キャンディ、チューインガムを中心に市場が形成されている。キャンディとガムは、市場自体が縮小傾向にあることに加え、非う蝕やシュガーレスでの差別化が難しくなったこともあり、商品設計に必要な糖アルコール・高甘味度甘味料の需要も減少している。一方、清涼飲料市場は、天候によってその年の良し悪しも変わるが、ゼロ系炭酸飲料の好調に支えられ、高甘味度甘味料も比較的好調に推移している。最近は、これら主要カテゴリー以外でもシュガーレス・低カロリー化が進んでおり、今後の伸びが期待される。本稿では、主要なシュガーレス・低カロリー食品市場と、これらの商品設計に不可欠な糖アルコール・高甘味度甘味料の動向についてみていく。
シュガーレス・低カロリー食品の動向
●チューインガム
チューインガム市場は、04年のピーク時から縮小傾向が続いている。日本チューンガム協会の発表によると2010年の生産数量は37,590トン、小売金額が1,540億円で、ピーク時と比べると生産量ベースで8,510トンのマイナス(18.4%減)、小売金額ベースで341億円のマイナス(18.1%減)となっている。・・・
●キャンディ
全日本菓子協会の発表によると、2010年の飴菓子(キャンディ類、キャラメル、ドロップ、グミ、ゼリー)の生産数量は対前年100%の174,700トン、小売金額ベースでは前年比98.4%の2,510億円となっており、景気の影響を比較的受けにくいとされる市場だけに09、10年と横ばいで推移している。・・・
●飲料
低カロリー・シュガーレス食品の中でも最も大きなウエイトを占めている清涼飲料市場。同市場のここ数年の動向をみてみると、07年までは拡大傾向で推移し、世界的経済環境の悪化による消費の低迷から08、09年と2年連続で2~3%減少、10年は猛暑、残暑といった天候の影響により夏場の動きが好調で、生産量ベースで18,667,700kL(前年比103.9%)、金額ベースで3兆5,876億4,200万円(前年比104%)となっている。
シュガーレス・低カロリー甘味料の動向
●糖アルコールの主なサプライヤー
・エリスリトール
・還元パラチノース
●高甘味度甘味料の主なサプライヤー
・アセスルファムK
・スクラロース
・ネオテーム
・ステビア
・ソーマチン
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